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結局、アビガンはCOVID-19に効果があるのか?

2021/09/13
倉原優(近畿中央呼吸器センター)

 ファビピラビル(商品名アビガン)、シクレソニド(オルベスコ)といえば、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック初期によくコロナ病棟で処方されていた薬剤です。いずれに対しても、国内で観察研究が行われました。今回は、その中でもファビピラビルについて、現時点でどういったエビデンスが蓄積されているのかを紹介します。

 なお、現在は中等症I以上への抗ウイルス薬としてはレムデシビル(ベクルリー)が用いられ、軽症例への吸入ステロイドについてはブデソニド(パルミコート他)が有効ではないか、と考えられています。

 ファビピラビルについては、内服する錠剤数が多い点が懸念です(初日18錠、2日目以降8錠/日)。また、薬剤投与に関連する有害事象として、高尿酸血症が17.8%、肝機能障害が7.6%に見られます1)。実際にこれらの有害事象が発生して、管理にやや困った症例も経験しました。

 レムデシビルが登場してからは、だいぶ鳴りを潜めてしまった感じですが、レムデシビルが使えないようなケースで、ちらほら処方されている光景もあったようです。

 ちなみに、タイの国民医療保障事務局(NHSO)は、国内のCOVID-19患者の治療に用いるためファビピラビルを購入しています。ファビピラビルに対して一定の評価を持っている国もあるのが現状です。

著者プロフィール

倉原優(国立病院機構近畿中央呼吸器センター呼吸器内科)●くらはら ゆう氏。2006年滋賀医大卒。洛和会音羽病院を経て08年から現職。08年から始めた自身のブログ「呼吸器内科医」をベースにした書籍『「寄り道」呼吸器診療-呼吸器科医が悩む疑問とエビデンス-』を、2013年に刊行した。

連載の紹介

倉原優の「こちら呼吸器病棟」
倉原氏は、呼吸器病棟で活躍する医師。日々の診療や、患者さん・他の医療スタッフとのやりとりを通して倉原氏が感じたことを、呼吸器領域ならではのtipsを交えて語ります。呼吸器診療の息遣いが垣間見えるブログです。

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