
過去記事(結局のところ、間質性肺炎にはオフェブなのか?)でもお伝えしたように、呼吸器内科領域では「進行線維化を伴う間質性肺疾患(PF-ILD)」という概念が急速に普及しています。これに対してニンテダニブ(商品名オフェブ)を使用することで、線維化を抑制しようという戦略が認知されつつあります。
PF-ILDにはいろいろな疾患が含まれていますが、重要なポイントは、(1)PF-ILDは努力性肺活量(FVC)・線維化・呼吸器症状が経時的に悪化する、(2)特発性肺線維症(IPF)はPF-ILDの一部である──、という点です(図1)。これまでの疾患概念は、疾患特異的な切り口で見たものでしたが、「間質性肺疾患(ILD)の中にPF-ILDが存在する、そしてその中央にはIPFが存在する」という考え方が主流になってきました。そして、この円の中央に行くほど、ニンテダニブなどの抗線維化薬のエビデンスがあるということです。

図1 PF-ILDの位置付け