日経メディカルのロゴ画像

呼吸器病棟から見た第3波
重症病床は実質8割埋まり、限界見える大阪府

2020/11/30
倉原優(近畿中央呼吸器センター)

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック当初、どの病院がCOVID-19を診療しているかは公開されていなかったのですが、現時点では多くの病院がCOVID-19患者を受け入れていることを表明しています。当院もパンデミック初期から軽症~中等症患者さんを引き受けてきました。といっても軽症例はほとんどおらず、基本的に中等症以上を診ています。

 大阪では、府の入院フォローアップセンターが主導して、COVID-19患者を各病院に割り振っている状況です。自宅やホテル療養中に悪化した人の入院依頼が昼夜を問わず舞い込んでくる状況で、関係スタッフは疲弊しています。第1~2波の頃は全体的に士気が高かったように思いますが、第3波ともなるとコロナ疲れが目立つようになりました。この精神的摩耗が医療従事者の感染を招いてしまっているのか、周辺の病院やクリニックでの院内感染を耳にすることが増えました。

 第2波までは、基礎疾患のある高齢者のクラスターが発生しても、その多くは悪化することなく施設に帰ることができました。しかし、今回の第3波は、両肺全体にすりガラス陰影を呈したやや若年層(50~70歳代)の肺炎が多く、想定よりも高い割合(3~5割)で酸素療法が適用されている状況です。中国で初期から報告されていたように、コントロール不良の糖尿病、循環器疾患、肥満は重症化をもたらす強いリスク因子であると痛感しています。

著者プロフィール

倉原優(国立病院機構近畿中央呼吸器センター呼吸器内科)●くらはら ゆう氏。2006年滋賀医大卒。洛和会音羽病院を経て08年から現職。08年から始めた自身のブログ「呼吸器内科医」をベースにした書籍『「寄り道」呼吸器診療-呼吸器科医が悩む疑問とエビデンス-』を、2013年に刊行した。

連載の紹介

倉原優の「こちら呼吸器病棟」
倉原氏は、呼吸器病棟で活躍する若手医師。日々の診療や、患者さん・他の医療スタッフとのやりとりを通して倉原氏が感じたことを、呼吸器領域ならではのtipsを交えて語ります。呼吸器診療の息遣いが垣間見えるブログです。

この記事を読んでいる人におすすめ