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気管支鏡にファイティングポーズを取る声帯

2019/07/05
倉原優(近畿中央呼吸器センター)

 気管支鏡を挿入するときは、ほぼ全例で声帯の観察を行います。「ほぼ」と書いたのは、永久気管孔がある場合など、一部の例外があるからです。永久気管孔がある場合、気管孔に直接、気管支鏡を入れることになります。

 気管支鏡を入れる前に、キシロカインなどの局所麻酔薬を咽頭周囲に噴霧して、さらに気管支鏡が通過する際に声帯にもキシロカインをかけるのですが、咽頭反射がしっかり出る患者さん(特に若い人)は、声帯を通過するのになかなか難渋することがあります。

 静脈注射のミダゾラムを用いて鎮静をかけていても、検査序盤であまり鎮静が深くなかったり、咽頭反射が強かったりすると検査中に覚醒してしまい、「声帯を通過する」ということが気管支鏡にとって大きな関門になることもしばしばです。

 そんな状態で、無理に声帯を通過させようとすると、ものすごい咳嗽を起こしますし、声帯を傷つけかねません。患者さんにカメラを引き抜いたりされることもあるので、やはり鎮静はある程度深めにかけておきたいところではあります。

 さて、私の呼吸器内科医人生ではせいぜい数百例しか経験していませんが、気管支鏡で声帯を毎日のように見ていると気付くことがあります。

著者プロフィール

倉原優(国立病院機構近畿中央呼吸器センター呼吸器内科)●くらはら ゆう氏。2006年滋賀医大卒。洛和会音羽病院を経て08年から現職。日本内科学会総合内科専門医・指導医、日本呼吸器学会呼吸器専門医・指導医、日本感染症学会感染症専門医・指導医、インフェクションコントロールドクター。

連載の紹介

倉原優の「こちら呼吸器病棟」
倉原氏は、呼吸器病棟で活躍する医師。日々の診療や、患者さん・他の医療スタッフとのやりとりを通して倉原氏が感じたことを、呼吸器領域ならではのtipsを交えて語ります。呼吸器診療の息遣いが垣間見えるブログです。

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