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「X線写真の立体視」って知っていますか?

2019/04/05
倉原優(近畿中央呼吸器センター)

図1 『肺区域解剖より見たX線読影図説〈第1〉正常編』 (1956年、結核選集第1集、医学書院) から引用

 皆さんは、この図1の男性が、一体何をしているか分かりますか? フェイスパックを付けようとしているわけでも、お皿に残ったスープをすすっているわけでもありません。実はこれ、胸部X線写真を立体視しようとしているのです。

 現代のように胸部CTが当たり前に撮影される以前、胸部X線写真1枚のみでは奥行・立体感がないため、「ここらへんに病巣があるのかな」と類推するしかありませんでした。しかし、2枚のX線写真、特に両目の距離を意識してわずかにずらして撮影した2枚の写真を立体視すれば、胸部X線写真が立体的に浮き上がって見えるというのです。2つの画像の差異を利用して脳は空間の再構築を行います。こういう立体写真のことを「ステレオグラム」とも呼びます。

 さてさて、この立体視、皆さんも子供の頃に経験したことがありませんか?

著者プロフィール

倉原優(国立病院機構近畿中央呼吸器センター呼吸器内科)●くらはら ゆう氏。2006年滋賀医大卒。洛和会音羽病院を経て08年から現職。08年から始めた自身のブログ「呼吸器内科医」をベースにした書籍『「寄り道」呼吸器診療-呼吸器科医が悩む疑問とエビデンス-』を、2013年に刊行した。

連載の紹介

倉原優の「こちら呼吸器病棟」
倉原氏は、呼吸器病棟で活躍する若手医師。日々の診療や、患者さん・他の医療スタッフとのやりとりを通して倉原氏が感じたことを、呼吸器領域ならではのtipsを交えて語ります。呼吸器診療の息遣いが垣間見えるブログです。

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