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「病院では階段で移動ルール」を実践してみて

2019/03/15
倉原優(近畿中央呼吸器センター)

 「近畿中央呼吸器センター」に名称変更した理由でも書いたように、当院は2018年9月にリニューアルオープンしました。そして、新病棟ができてからというもの、明らかに階段を使う頻度が増えました。前は4階までしかなかった病院の建物が、今や7階まであるのだから当然です。

 私には「職場ではエレベーターを使わない」という確固たるポリシーがあります。「いつまでも若々しく、日野原先生のように階段を使うんだ」と、医学生時代に聖路加国際病院を見学した日から決めているのです。残念ながら、その後、聖路加国際病院とはご縁がありませんでしたが……。

 齢37にして気付いたことがあります。階段を上ると、息切れをするんですよ。明らかに30歳代前半とは異なる息切れです。タバコも吸わないし、こりゃもしかして何か呼吸器疾患に罹患しているんじゃないのか。そう思って職場で行った定期健診の胸部X線写真を自分でジーっと見てみましたが、何もありません。キレイな肺です。

 うーむ、ただの運動不足なのだろうか。

 運動強度はそう変わらないように見えても、実は階段昇降はウォーキングと比べて血中の乳酸濃度が高くなりやすく、pHが低くなりやすいという知見が示されています(表11)。これはCOPDの患者さんにおける研究なので健常者にそのまま適用しちゃいかんのですが、要は階段ってのはしんどいんですよ。いちいち研究結果を見なくても、そんなもん誰でも分かりますけど……。

表1 歩行時と階段昇降時の血液ガス分析結果(文献1より改変引用)

著者プロフィール

倉原優(国立病院機構近畿中央呼吸器センター呼吸器内科)●くらはら ゆう氏。2006年滋賀医大卒。洛和会音羽病院を経て08年から現職。08年から始めた自身のブログ「呼吸器内科医」をベースにした書籍『「寄り道」呼吸器診療-呼吸器科医が悩む疑問とエビデンス-』を、2013年に刊行した。

連載の紹介

倉原優の「こちら呼吸器病棟」
倉原氏は、呼吸器病棟で活躍する若手医師。日々の診療や、患者さん・他の医療スタッフとのやりとりを通して倉原氏が感じたことを、呼吸器領域ならではのtipsを交えて語ります。呼吸器診療の息遣いが垣間見えるブログです。

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