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意外な医学の頻出語句、「瀰漫」

2015/11/27
倉原優(近畿中央胸部疾患センター)

 瀰漫性汎細気管支炎という疾患があります。また、間質性肺疾患のことを瀰漫性肺疾患というくくりで表現することもあります。

 こう書くと読み方がなんとなく分かる人も多いでしょうが、そう、この「瀰漫」は「びまん」と呼びます。呼吸器内科で「びまん」というのは、間質性肺疾患、とりわけ特発性(原因不明)の疾患群を指すことが多いようです。「びまんの世界では○○先生を知らない人はいません!」といった使い方があるように、「びまん」という言葉がジャーゴン化しているのが呼吸器内科の世界です。

 もう少し詳しく言うと、呼吸器内科における「びまん」というのは画像分布の拡がりのことを表すのが一般的で、両肺に広がる間質性肺疾患を表します。両肺にびまん性にレジオネラ肺炎をきたしたとしても、いわゆる「びまん」ではないのです。

 この「瀰漫」という言葉、一体どこから出てきたのか気になったので調べてみました。漢字としては、「弥漫」という字でもよいようです。「瀰漫」とはさんずい偏がついているので何となくイメージできる人も多いでしょうが、「水面に一面に広がる」という意味です。「瀰」も「漫」も似たような意味です。この熟語の由来はやはり中国語のようです。中国語の辞典によれば、

著者プロフィール

倉原優(国立病院機構近畿中央呼吸器センター呼吸器内科)●くらはら ゆう氏。2006年滋賀医大卒。洛和会音羽病院を経て08年から現職。08年から始めた自身のブログ「呼吸器内科医」をベースにした書籍『「寄り道」呼吸器診療-呼吸器科医が悩む疑問とエビデンス-』を、2013年に刊行した。

連載の紹介

倉原優の「こちら呼吸器病棟」
倉原氏は、呼吸器病棟で活躍する若手医師。日々の診療や、患者さん・他の医療スタッフとのやりとりを通して倉原氏が感じたことを、呼吸器領域ならではのtipsを交えて語ります。呼吸器診療の息遣いが垣間見えるブログです。

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