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「いやいや、それは痰ではありません」

2015/08/28
倉原優(近畿中央胸部疾患センター)

 私が初めて気管支鏡を触った日。指導医の女医の先生が手取り足取り教えてくださったのはもう何年前のことでしょうか。「上部消化管内視鏡と違ってね、気管支は軟骨があってカタいから、おそるおそるカメラを挿入しなくても大丈夫だよ」と言われたものの、気管支の壁に当たって患者さんが咳き込むたびにビックリしたのを覚えています。いくら穿孔しにくいから大丈夫と言われても、進むたびに咳嗽が出るような検査ですから、やはりカンタンとは言えません。

 気管支鏡をしていると、気管支の中にはたくさんの分泌物が見えることがあります。杯細胞とかクララ細胞とか、習ったことがあると思いますが、要は気管支腺から分泌されたモノです。見た目には唾液にそっくりです。初めての気管支鏡のとき、私はこう言いました。

著者プロフィール

倉原優(国立病院機構近畿中央呼吸器センター呼吸器内科)●くらはら ゆう氏。2006年滋賀医大卒。洛和会音羽病院を経て08年から現職。08年から始めた自身のブログ「呼吸器内科医」をベースにした書籍『「寄り道」呼吸器診療-呼吸器科医が悩む疑問とエビデンス-』を、2013年に刊行した。

連載の紹介

倉原優の「こちら呼吸器病棟」
倉原氏は、呼吸器病棟で活躍する若手医師。日々の診療や、患者さん・他の医療スタッフとのやりとりを通して倉原氏が感じたことを、呼吸器領域ならではのtipsを交えて語ります。呼吸器診療の息遣いが垣間見えるブログです。

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