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呼吸器内科医に求められる探偵としてのウデ

2015/03/27

 私たち呼吸器内科医は、時に患者さんの自宅に入って写真を撮影したり、部屋の隅々まで調査させていただくことがあります。そう、探偵業をすることがあるのです。

 ドクターハウスというアメリカのドラマでは、ハウスが部下に「家をさぐってこい」と命じて、空き巣まがいのことをさせるというシーンが度々あります。私たちがあんなことをやったら、両手に手錠が掛かってしまうのは間違いありません。しかし、私たちは「過敏性肺炎」という病気を診断するために、患者さんの協力を得て、自宅を調査させていただくことがあります。

 過敏性肺炎という病気は、抗原から回避するという治療法が最も有効です。ただ、何が原因かわからずに漫然と診療していると、過敏性肺炎が長期化して呼吸器症状がなかなかよくならないことがあるわけです。そのため、問診よりも自宅に訪問して調査する方がてっとり早いケースがあります。

 どれだけ問診をしても、それらしい原因がない過敏性肺炎の患者さんがいました。そのため、自宅を見せてほしいとお願いしました。

 勤務がない土曜日の夕方にその患者さんの家にお邪魔させていただきました。過敏性肺炎とは無縁そうな、カビもほこりもない綺麗なマンションでした。インコのような小鳥も飼っておらず、布団も非羽毛。お風呂もピカピカでした。

著者プロフィール

倉原優(国立病院機構近畿中央呼吸器センター呼吸器内科)●くらはら ゆう氏。2006年滋賀医大卒。洛和会音羽病院を経て08年から現職。08年から始めた自身のブログ「呼吸器内科医」をベースにした書籍『「寄り道」呼吸器診療-呼吸器科医が悩む疑問とエビデンス-』を、2013年に刊行した。

連載の紹介

倉原優の「こちら呼吸器病棟」
倉原氏は、呼吸器病棟で活躍する若手医師。日々の診療や、患者さん・他の医療スタッフとのやりとりを通して倉原氏が感じたことを、呼吸器領域ならではのtipsを交えて語ります。呼吸器診療の息遣いが垣間見えるブログです。

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