
(出典:wikipedia)
※このお話は患者さんの同意を得て書いています。
数年前、右胸水の精査のために入院となった患者さんがいました。胸水はかなり少量で、エコーガイド下でようやく10mL程度穿刺できるだろうというくらい。肺内にも少数の陰影があったのですが、気管支鏡検査では到達不可能なくらい小さな陰影だったので、この少量胸水を抜くことが診断のカギとなることは明白でした。
患者さん:「先生、とっとと水を検査に出して、診断をつけてくれよ」
患者さんはどちらかというと、体育会系といいますか、筋骨隆々で強そうな人だなという印象を持っていました。
私:「では上着を脱いでいただけますか?エコーをあててみますね」
胸水穿刺する部位を検索するためにポータブルエコーをあてようと思い、上着を脱いでもらいました。すると、横にいた看護師さんも「うわっ」と声を出すくらい、それはそれは見事なドラゴンの刺青が右の肩から背中にかけてグルリと巻きついていました。