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「ドラゴンを刺さずに胸水を抜いてくれ」

2014/09/12

(出典:wikipedia)

※このお話は患者さんの同意を得て書いています。

 数年前、右胸水の精査のために入院となった患者さんがいました。胸水はかなり少量で、エコーガイド下でようやく10mL程度穿刺できるだろうというくらい。肺内にも少数の陰影があったのですが、気管支鏡検査では到達不可能なくらい小さな陰影だったので、この少量胸水を抜くことが診断のカギとなることは明白でした。

患者さん:「先生、とっとと水を検査に出して、診断をつけてくれよ」

 患者さんはどちらかというと、体育会系といいますか、筋骨隆々で強そうな人だなという印象を持っていました。

:「では上着を脱いでいただけますか?エコーをあててみますね」

 胸水穿刺する部位を検索するためにポータブルエコーをあてようと思い、上着を脱いでもらいました。すると、横にいた看護師さんも「うわっ」と声を出すくらい、それはそれは見事なドラゴンの刺青が右の肩から背中にかけてグルリと巻きついていました。

著者プロフィール

倉原優(国立病院機構近畿中央呼吸器センター呼吸器内科)●くらはら ゆう氏。2006年滋賀医大卒。洛和会音羽病院を経て08年から現職。08年から始めた自身のブログ「呼吸器内科医」をベースにした書籍『「寄り道」呼吸器診療-呼吸器科医が悩む疑問とエビデンス-』を、2013年に刊行した。

連載の紹介

倉原優の「こちら呼吸器病棟」
倉原氏は、呼吸器病棟で活躍する若手医師。日々の診療や、患者さん・他の医療スタッフとのやりとりを通して倉原氏が感じたことを、呼吸器領域ならではのtipsを交えて語ります。呼吸器診療の息遣いが垣間見えるブログです。

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