日経メディカルのロゴ画像

ニンニクが運動失語を改善させた?

2014/06/27

 幾つかの過去記事に登場していますが、研修医時代にラーメンや四川料理をよく一緒に食べに行っていた先輩がいました。今の年齢で夜中に四川料理を食べたら、まず間違いなくお腹をこわしてしまいますが……。

 四川料理はニンニクがたくさん使われていますから、朝に病棟で「くさい」と言われるのが恐ろしかった記憶があります。私もその先輩もニンニクを食べた後は一生懸命お風呂でニオイを落として、歯磨きや口臭対策をバッチリにして翌朝病院に出勤したものです。

 しかしいつだったか、夜中の3時に四川料理を食べたためか、先輩が朝寝坊しかけたことがありました。歯磨きはしたそうですが、その先輩はどことなくニンニクの香りが漂う状態で病院に出勤してきました。

 その先輩の受け持ちだった脳梗塞でリハビリ中の患者さんがいました。運動失語が著明で、「あーうー」と、何となく母音だけで意思疎通を図っていました。言語聴覚士の介入もあって、少しずつ話すテクニックが分かってきたのか、「おはよう」「ありがとう」「こんにちは」といった挨拶が伝わりやすくなってきました。次第に話すことが上手になってきたため、先輩も毎日患者さんと話すことが楽しそうでした。

 その朝、ほのかにニンニクの香りを漂わせて、先輩がその患者さんのベッドへ向かいました。

著者プロフィール

倉原優(国立病院機構近畿中央呼吸器センター呼吸器内科)●くらはら ゆう氏。2006年滋賀医大卒。洛和会音羽病院を経て08年から現職。08年から始めた自身のブログ「呼吸器内科医」をベースにした書籍『「寄り道」呼吸器診療-呼吸器科医が悩む疑問とエビデンス-』を、2013年に刊行した。

連載の紹介

倉原優の「こちら呼吸器病棟」
倉原氏は、呼吸器病棟で活躍する若手医師。日々の診療や、患者さん・他の医療スタッフとのやりとりを通して倉原氏が感じたことを、呼吸器領域ならではのtipsを交えて語ります。呼吸器診療の息遣いが垣間見えるブログです。

この記事を読んでいる人におすすめ