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バナナは野菜ですか?

2014/03/28

 私は肺癌の患者さんも何人か診療しています。抗癌剤を投与して10~14日くらい経過すると好中球が減少するため、発熱しないように注意する必要があります。好中球が極度に低下した状態で患者さんが発熱した場合、発熱性好中球減少症として抗菌薬を投与しなければなりません。

 多くの病院には「滅菌食」という食事があります。この理由として免疫不全状態にある患者さんは刺身や生野菜などはできるだけ避けた方がよいという知見があるためです(Oncol Nurs Forum. 2000 ;27(3):515-20.)。しかし、通常の病院食では刺身とまではいかなくてもキャベツの千切りあたりは普通に出てきますよね。そこで滅菌食が登場するわけです。実は滅菌食が本当に必要かどうかという点、そもそも生ものはダメなのかという点については異論があります。実際に生ものを含む食事とそうでない食事を比較した研究では、重大な感染の発症頻度に差はないと報告されています(J Clin Oncol. 2008 Dec 10;26(35):5684-8.)。

 ある日、肺癌に対してシスプラチンとエトポシドという抗癌剤を投与した患者さんが、好中球150/μLの状態になりました。

著者プロフィール

倉原優(国立病院機構近畿中央呼吸器センター呼吸器内科)●くらはら ゆう氏。2006年滋賀医大卒。洛和会音羽病院を経て08年から現職。08年から始めた自身のブログ「呼吸器内科医」をベースにした書籍『「寄り道」呼吸器診療-呼吸器科医が悩む疑問とエビデンス-』を、2013年に刊行した。

連載の紹介

倉原優の「こちら呼吸器病棟」
倉原氏は、呼吸器病棟で活躍する若手医師。日々の診療や、患者さん・他の医療スタッフとのやりとりを通して倉原氏が感じたことを、呼吸器領域ならではのtipsを交えて語ります。呼吸器診療の息遣いが垣間見えるブログです。

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