糖尿病患者などに生じる下肢潰瘍に対して、ウジを這わせて壊死した部分を食べさせ、回復を促すという治療法があります。このウジ虫療法(マゴット・セラピーともいう)を紹介した日経メディカル2004年9月号の記事[1]によると、この治療法は世界各国で行われていた伝統的治療法でしたが、抗生物質の登場や外科治療の進歩によりいったん廃れ、最近になって抗生物質に抵抗性の潰瘍が見られるようになり、再び注目されるようになったのだそうです。
今回の論文は、ウジ虫療法の効果を検討したほとんど初めて(正確には2000年に論文が発表されているが、このときの症例数はわずか12人だった)のランダム化比較試験(RCT)です。
Dumville JC, Worthy G, Bland JM, Cullum N, Dowson C, Iglesias C, et al. Larval therapy for leg ulcers (VenUS II): randomised controlled trial. BMJ 2009; 338: b773. (published online on 19 March 2009)