胃癌に関する臨床研究では、日本が欧米をリードしています。ヘリコバクター・ピロリ菌と胃癌の関係については、以前から研究が積み重ねられてきました。しかし、ピロリ除菌により内視鏡切除後の異時性胃癌(1年以上経てから新たに初発部位とは別の場所に発生した胃癌)の発生が減少したことを示したのは、今回、Lancet誌に論文を発表した、北大第三内科教授の浅香正博氏らのJapan Gast Study Group(ホームページはこちら)による今回のランダム化比較試験(RCT)が、「世界で初めて」(朝日新聞2008年8月1日)だそうです。
Fukase K, Kato M, Kikuchi S, Inoue K, Uemura N, Okamoto S, et al. Effect of eradication of Helicobacter pylori on incidence of metachronous gastric carcinoma after endoscopic resection of early gastric cancer: an open-label, randomised controlled trial. Lancet 2008; 372: 392-7. (2008年8月2日号)