英国では軽度のアルツハイマー病へのドネペジル(日本での商品名アリセプト)の適用について、国(NICE)と企業側の主張が食い違い、裁判に至っています(10.31 「ドネペジルは、なぜ英国を訴えたのか」 )。日本の添付文書では、ドネペジルの効能として「アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制」とありますが、「アルツハイマー型認知症の病態そのものの進行を抑制するという成績は得られていない」というただし書きが付いており、やや紛らわしい表現です。そこで今回は、ドネペジルを含むコリンエステラーゼ阻害薬の有効性に関するシステマティック・レビューに注目してみました。
Raschetti R, Albanese E, Vanacore N, Maggini M. Cholinesterase inhibitors in mild cognitive impairment: a systematic review of randomised trials. PLoS Med 2007; 4: e338. (2007年11月号)