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勤務医の収入は高過ぎない。でも開業医は「?」

2009/09/15

 「医師の収入は高過ぎる?」に対する、たくさんの投票とコメントありがとうございました。

 今回のテーマについては、日経メディカル オンライン(NMO)と日経ビジネスオンライン(NBO)の投票結果に、大きな差が出ました。NMOでは、「医師の給与は高過ぎる?」との問いかけに対して、「Yes」はわずか2%。ほぼ全員が、「No」と答えています。一方、NBOでは、「Yes」が27%で「No」が73%。「No」が多数派であることは同じですが、約3割は「Yes」という点が大きく異なります。

 コメントを見ると、「No」の理由は、NMOもNBOもそう違いません。「優秀な人材を集める必要性を考えれば、現状の医師の収入は決して高過ぎない」「人の命を預かるという仕事の重要性からして、決して高いとはいえない」「過重労働を強いられている今の労働環境からすれば、まだ低過ぎるのでは」といった見方が、その中心です。また、医師からは、「転勤が多いため、退職金はわずかな額。退職金を含めた生涯収入で考えれば、決して高いレベルではない」といった声も少なからず聞かれました。

 一方、NBOの「Yes」の理由として最も目立ったのは、「多忙な勤務医の収入は高過ぎるとは思わないが、開業医の収入は高過ぎる」「医師という仕事が、他の職種と比べて特別扱いされるべきものだとは思わない」との意見。このほかでは、「職業に貴賎はない。仕事は“志”ですべきで、収入で報いる必要はない」「医師が高収入であるため、理系の優秀な人材が医師に流れてしまう。製造業などの将来を考えても是正すべき」といった声のほか、感情的な非難とも思えるコメントも幾つかありました。

 医療従事者と国民との意識の差は、この「Yes」の意見に集約されているのだと思います。私が特に注目したのは、「開業医の収入は高過ぎる」「努力している医師や優秀な医師とそうでない医師について差をつけるべき」「医師の激務に対しては、金銭面ではなく、労働環境の改善で報いる方がいいのではないか」といった意見です。ただ単に収入の高さを問題にしているというよりは、「医師間のある種の不公平感を正すべき」と考えている方が多いのではないかと感じました。

著者プロフィール

木村憲洋(高崎健康福祉大学健康福祉学部医療福祉情報学科准教授)●きむら のりひろ氏。武蔵工業大学工学部機械工学科卒。国立医療・病院管理研究所病院管理専攻科・研究科修了。神尾記念病院などを経て現職。

連載の紹介

木村憲洋の「どうする?日本の医療」
日本の医療が抱える問題の解決策について、一般の方々と議論してみませんか?このブログは、医療を受ける立場の読者が多い「日経ビジネスオンライン(NBO)」でも公開しています。

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