
司会 次期診療報酬改定をめぐる中医協の議論も前半戦が終わり、診療報酬はプラス改定に決まりました。そこで今日は、「診療報酬改定2008」特別取材班の3人に、これまでの議論を振り返りつつ、今後の論点を整理していただきたいと思います。なお、この会は若手記者の勉強会もかねていますので、途中で若手からの質問にも答えていただきます。よろしくお願いします。
井上 0.38%とはいえ、技術料の引き上げは8年ぶりだよね。これを受けて、1月16日から中医協の議論もいよいよ後半戦だ。さて、僕らはこれまで3カ月近く、19回にわたり中医協の診療報酬基本問題小委員会を傍聴してきたわけだけど(これまでの議論については4ページ参照)、率直な感想はどう?
富田 私の場合、これまで臨床の取材が中心で、具体的で細かい話が多かったんです。だから、診療報酬という制度の枠組みに関する議論を継続的に聞いている中で医療の全体像が見えてきて、とても勉強になりました。特に印象に残った議論は、『日経メディカル』11月号に記事を書いたこともあって、後期高齢者医療制度に関するところですね。
和田 私は、前回の改定の際にリハビリテーションについて取材しました。今回は、もっといろいろなテーマを取材したいと思って特別取材班に加わったんです。リハビリについては、前回の改定後に見直しがなされたこともあって、今回はあまり新鮮味がなかったです。今は、勤務医の負担軽減策が具体的にどのような点数になるかに注目しています。
井上 和田君は、傍聴席を確保するために、ずいぶん早くから厚生労働省17階の廊下に並んでいたよね。
和田 ええ。一番早い時は、9時半開始の会議を傍聴するために、7時10分ごろから並びましたよ。今回の中医協は、先着順に100人くらい傍聴できるんです。入れなかったら一大事だし、人が多くて息苦しいのはいやだから、出口に近い席に座りたいと思って。7時10分に並んでも、先頭から6番目か7番目。“5番の壁”は破れませんでした。
富田 私も、家で朝食を食べてから行ったのでは間に合わないから、起きてすぐ家を出ていました。だから、行列に並びながら、こっそりパンを食べたり…。もしかしたら、前後に並んだ人からひんしゅくを買っていたかもしれません。