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「主治医」になれるのは診療所医師だけ?
中医協、後期高齢者医療制度「外来医療」の診療報酬で議論

2007/11/05

 11月2日の中央社会保険医療協議会中医協)の診療報酬基本問題小委員会では、後期高齢者医療制度の「外来医療」に関する議論が行われた。

 注目は、ついに明らかになった外来における「主治医」の役割。これまで中医協における後期高齢者医療制度の議論では、入院医療と在宅医療が取り上げられてきたが、その中核的な役割を担う主治医の具体的な役割については、あいまいなままだった。

 厚労省が、後期高齢者医療で主治医が取り組むべきこと(診療報酬で評価の対象とする取り組み)として挙げたのは、(1)年間の診療計画を作成して継続的に診療すること、(2)初診時には丁寧に問診して病歴などを把握し、再診時は他の医療機関での診療内容について患者と情報共有をすること、(3)年に1回、認知機能や意欲について総合的な評価を行うこと、(4)後期高齢者医療について研修を受けるなどして研鑽を積むこと――など。主治医として、これらにきちんと取り組むことで、「医学管理料」のような点数を算定できる仕組みになる模様だ。(詳細は下部に掲載した資料を参照)

 この主治医機能に関する提案に対して、日医出身委員の一部は反対の意向を示した。ある医師委員は、「患者を集約的に診ることができる医師が必要だという点には賛成だが、現実には、そのような医師はまだあまり育っていない。この議論は、そのような医師が育ってからにすべきだ」と意見を述べた。

 また、病院団体の医師委員は、「資料の中にある具体的な取り組みの5番を見ると、主治医は基本的に診療所の医師であり、周囲に診療所が存在しない地域でのみ中小病院の医師が主治医になれる、と読める。それ以外の地域では、中小病院の医師が主治医になれないのか」と質問。これに対し厚労省が「基本的には、診療所の医師が主治医になることを考えている」と答えると、「であれば、この議論には乗れない」と同委員は食い下がり、議論は次回以降に持ち越された。

初診料は上げ、再診料は下げる
 初診料と再診料についても事務局から提案があった。現状の診療報酬体系では、初診料と再診料に患者の年齢による差は設けられてないが、今回事務局が提案したのは、75歳以上の後期高齢者の外来診療について、それ以下の年齢とは違う初診料と再診料を設定するという案だ。

(1)後期高齢者では、既往歴、受診歴、服薬歴、利用している医療サービス、福祉・介護サービスなどのエピソードが多く、初診時にはこれらを詳細に聴取する必要があることから、初診料を引き上げる。
(2)再診時は、長期化する治療の経過観察や慢性疾患に対する継続的な指導・管理が中心となることから、再診料は引き下げる。

連載の紹介

どうなる?!診療報酬改定2008
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