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やっぱり気になる“主治医制度”
後期高齢者医療制度の議論がいよいよスタート

2007/10/16

 10月12日に開かれた中央社会保険医療協議会中医協)の診療報酬基本問題小委員会で、ついに「後期高齢者医療制度」の診療報酬に関する議論が始まった。この中で、中医協としては初めて、後期高齢者医療制度のキーワードの一つと目される「主治医」の用語が登場。いわゆる“主治医制度”のあり方について、熱い議論が繰り広げられた。

 後期高齢者における新しい診療報酬体系は、「外来医療」「入院医療」「在宅医療」「終末期における医療」の4点からなる。今回議論されたのは、このうちの「入院医療」だ。具体的な論点は、(1)退院後の生活を見越した計画的な入院医療、(2)入院中の評価とその結果の共有、(3)退院前後の支援──の3点。

 具体的に(1)については、急変による入院時に行う主治医から病院への情報提供や、入院後に病状が安定した段階で退院に向けた支援計画を立てることを高く評価する方針が提示された。また(2)では、現行の「地域連携退院共同指導料」が話題に。現行では、入院中の医療機関の医師、退院後の在宅医療を担う医師、および訪問看護ステーションの看護師が、退院後の療養指導を行った場合にこの指導料を算定できるが、この共同指導に歯科医師や薬剤師が参加した場合にも評価するという方針を示した。また(3)の退院前後の支援に関しては、入院前の地域の主治医が退院後にも外来で指導を行った場合や、訪問看護ステーションの看護師による退院前の指導や退院時の支援を評価する案も出された。

 こうした地域連携を重点的に評価する方針について、委員は概ね賛成の雰囲気だったが、こうした本筋ではなく、説明資料に所々登場した「主治医」という用語に対して、質問や意見が相次いだ。

 例えば、ある委員は、「後期高齢者医療制度におけるキーマンは主治医。主治医には(診療報酬上の)プレミアムが付くことになっているが、その定義は何なのか。また、1人だけなのか、複数でもよいのか。プレミアムがあるのであれば、何らかのオブリゲーションがないといけないのではないか」と質問。これに対し、厚生労働省保険局医療課は、「主治医は、総合的に見る医師という位置付けなので1人と考えている」「主治医には、『後期高齢者医療の診療報酬体系の骨子』の外来医療に挙げられている3点を果たしてほしい」と回答した(『骨子』の内容については下のPDFファイルを参照)。

 その後の質疑の中にもあったが、複数の疾患を持つ患者にとって、疾患ごとに主治医がいるのは当たり前のこと。かつて、老人慢性疾患外来総合診療料(外総診)が、主治医を1人に絞る仕組みがうまく機能しなかったことが一因となって廃止されたことは記憶に新しい。今回は、この課題をどのようにクリアしていくのだろうか。

 中医協での“主治医制度”に関する本格的な議論は、後期高齢者医療制度の「外来医療」が議論される回で行われる見込みだ。(和田 紀子=「診療報酬改定2008」特別取材班)

連載の紹介

どうなる?!診療報酬改定2008
後期高齢者医療の診療報酬はどうなるのか?産科や小児科や救急の評価は高まるのか?勤務医の負担軽減策は示されるのか?——注目を集める2008年度診療報酬改定に向けて、今秋から本格化する中医協の審議の模様を、独自取材によりリアルタイムでお届けします。
日経BP「診療報酬改定2008」特別取材班日経BP医療局の専門記者たちが総力を挙げて取材、情報分析します。

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