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どこへ行く? 「生活習慣病管理料」

2007/10/13

 10月10日、中央社会保険医療協議会中医協)の診療報酬改定結果検証部会が開催された。今回は、昨年4月の診療報酬改定以降に新たに導入・変更された項目について、その算定の実態を調査した結果が報告された。

 調査結果が報告されたのは、セカンドオピニオン外来、生活習慣病管理料、地域連携診療計画管理料、紹介率要件の廃止、医療安全管理対策、褥瘡管理対策、透析医療、ニコチン依存症管理料――の8項目。ニコチン依存症管理料に関する調査では、禁煙成功率が意外に高いことが判明したり、透析医療の包括化でエリスロポエチンの使用量は減少したものの貧血患者は増加していなかったりと、それぞれに興味深い調査結果が報告されたが、ここでは「生活習慣病管理料」に注目してみる。

 生活習慣病管理料は、高脂血症、高血圧症、糖尿病の患者に算定できる、検査や投薬などを包括した点数。前回の改定で、それまでの「生活習慣病指導管理料」から名称が変更され、点数が10~20%(処方せんを交付する場合150点、それ以外は90点)引き下げられた項目だ。

 前回改定前の調査でも算定している施設は少なかったが、今回の調査でも同様。調査対象となった640施設のうち80.8%が「今まで1度も(生活習慣病管理料の)算定を行っていない」と回答し、「以前は算定を行っていたが今は行っていない」施設を合わせると、88.5%に上った。

 今まで一度も算定を行っていない理由として最も多かったのが、「点数の設定が高く、患者の負担増につながるから」(53.4%)で、「自施設単独での対応が難しかったから」(14.3%)、「療養計画書を作成することが手間だから」(13.2%)と続いた。また、以前は算定していたが、現在は算定していない理由としては、「療養計画書の記載内容が増えたため」(57.1%)、「治療・指導の体制が整わないため」(35.7%)、「点数が下がったため」(28.6%)──だった。

 実は、前回、この項目の点数が下げられた一つの理由は、算定しない施設から「点数が高く患者の負担増につながる」という声があったから。今回も同じ調査結果が出たことになるわけで、そのまま当てはめれば、今回は更に点数が下げられるということになる。

 2日後の12日に行われた中医協総会では、そんな外野の“憶測”を牽制するように、委員の一人から「生活習慣病指導管理料を、これ以上引き下げることは容認できない」という趣旨の発言があった。生活習慣病指導管理料の点数は現状でも「見合っていない」と言われており、これをさらに下げれば、患者負担が減る一方で、医師としては、点数が低すぎて算定する気にならない、という事態が起こることは容易に想像できる。

 総会では、そうした矛盾を解消する方法として、「生活習慣病管理料だけ、患者の負担率を下げるというのはどうか」という“奇策”も話題に上った。さすがに、この方法は実現が難しそうだが、いずれにせよ、鳴り物入りで登場した「生活習慣病管理料」のあり方を、根本的に見直すべき時期であることは間違いなさそうだ。(和田 紀子=「診療報酬改定2008」特別取材班)

連載の紹介

どうなる?!診療報酬改定2008
後期高齢者医療の診療報酬はどうなるのか?産科や小児科や救急の評価は高まるのか?勤務医の負担軽減策は示されるのか?——注目を集める2008年度診療報酬改定に向けて、今秋から本格化する中医協の審議の模様を、独自取材によりリアルタイムでお届けします。
日経BP「診療報酬改定2008」特別取材班日経BP医療局の専門記者たちが総力を挙げて取材、情報分析します。

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