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【日本の医療制度・医学教育の今を語る vol.5】《最終回》
医師の労働環境を変えるには混合診療しかない

2007/09/07

――医師の給与もプロ野球選手のように年俸制にすることは可能でしょうか。

尾崎 年俸制が可能なのは外科系。先進的な大学や病院は既に年俸制にしていますね。

 今後、医師の労働環境を変えていくためには、今の公定価格で決まっている医療だけでは無理ですね。混合診療にならざるを得ないでしょう。韓国は既に混合診療ですよね。

公平 最近、大学病院なのに「研修医を付けてくれるな」だとか要求する患者が増えていますよね。特に最近の医療事情の変化で、患者の権利意識が高まっていると実感しています。それなのに、現状のままでは患者の要望に医者が対応していくことができない。難しい問題だと思います。このことは各科の医者がよく不満を漏らしているのを聞きます。

尾崎 患者の権利意識は、地域によって差があるね。僕が知っている関西の医師は、大阪で研修をやると「研修医だからって、許さんぞ!」とか言われるのが嫌だから、東北地方で初期研修することにして正解だった、と言っていましたよ。

増田 でも、今の国民全体の意識として、貧富の差に関係なく平等な医療を受けられると思っているとしたら、「お金さえ払えば、プラスの医療を受けられますよ」と医者から言いにくいですよね。これを良いと思う人と、良くないと思う人が出ると思うのです。だから、混合診療の制度を導入するまでには時間がかかると思います。

公平 抗癌剤などでは既に始まっていますけど。

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夏休み特別企画「医療放談2007 Summer」
臨床から「医療崩壊」まで、医療界の旬な話題について、一家言ある先生方に提言、対談・鼎談していただいた内容を連載します。ご意見・ご感想は、このブログにコメントを付ける形でお寄せください。

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