
東大医科研の上昌広氏
学会も徐々に変わりつつある
上 最近、政治だけでなく、医療でもパラダイムが変わってきていると感じています。学会や医師会は、例えば学会であれば、研究費をもらうために行政に働きかけるのですから、行政に対する「職能団体」です。しかし、価値観が多様化しているので、皆が研究に力を入れ、「教授になりたい」と思うわけではありません。職能団体は、従来はトップダウン式でやってきましたが、価値観の多様化で極めてやりにくく、一つにまとめにくくなっているわけです。
ただ学会も医師会も、その「権威」は残っています。その権威を利用できる立場にある一方で、それ以外の人々の意見をどうまとめるか、その両方のバランスが取れる人が今後のニューリーダーになっていくのではないでしょうか。