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コロナ対応の現実と「源泉」をたどる出色の作品

2021/11/30

 ドイツ語のQuellenkritikは、日本語で「史料批判」と訳されている。歴史研究で史料の価値を客観的に吟味することを指すが、原語のQuelleは「泉」「源」を意味する。一つひとつの出来事の源泉をたどり、事実が湧出する根拠やメカニズムを注意深く解き明かしていく。そうした手法こそQuellenkritikなのではないか、と自己流に解釈している。

 今年11月に刊行された山岡淳一郎氏の著書『コロナ戦記 医療現場と政治の700日』(岩波書店)は、新型コロナウイルス感染症COVID-19)のパンデミックに見舞われた日本の「第一線医療」と、首相官邸や霞が関、都庁、国の諮問機関などが織りなす政治の作用・反作用の源泉をたどる出色の作品だ。

著者プロフィール

色平哲郎(JA長野厚生連・佐久総合病院 地域医療部 地域ケア科医長)●いろひら てつろう氏。東大理科1類を中退し世界を放浪後、京大医学部入学。1998年から2008年まで南相木村国保直営診療所長。08年から現職。

連載の紹介

色平哲郎の「医のふるさと」
今の医療はどこかおかしい。そもそも医療とは何か? 医者とは何? 世界を放浪後、故若月俊一氏に憧れ佐久総合病院の門を叩き、地域医療を実践する異色の医者が、信州の奥山から「医の原点」を問いかけます。

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