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新型肺炎で再認識した「ワンヘルス」の意義

2020/01/29

 中国の湖北省、武漢を中心に新型コロナウイルスによる肺炎が相次いでいる。一方、感染拡大の封じ込めを目指す中国当局は、武漢市の住民1100万人が市外に移動するのを原則禁止しているという。

 予断を許さない状態が続く中、最近、とみに注目されてきた「ワンヘルス」(One Health)という概念の大切さをひしひしと感じている。ワンヘルスとは、人、動物、環境は相互に密接な関係があり、それらを総合的に良い状態にすることが「真の健康」だとする考え方だ。

 グローバル化と世界的な人口増が進む中、環境・食料・感染症など、人類共通の様々な課題が浮上してきた。これらの課題の克服には、世界は一つ、健康も一つ、「ワンワールド、ワンヘルス」の観点での分野横断的なアプローチが求められる。日本の厚生労働省も、「人、動物、環境の衛生に関わる者が連携して取り組むOne Health(ワンヘルス)という考え方が世界的に広がってきており、One Healthの考え方を広く普及・啓発するとともに、分野間の連携を推進しています」と掲げる(同省ウェブサイト)。日本医師会と日本獣医師会も、連携シンポジウムを頻繁に開いている。

著者プロフィール

色平哲郎(JA長野厚生連・佐久総合病院 地域医療部 地域ケア科医長)●いろひら てつろう氏。東大理科1類を中退し世界を放浪後、京大医学部入学。1998年から2008年まで南相木村国保直営診療所長。08年から現職。

連載の紹介

色平哲郎の「医のふるさと」
今の医療はどこかおかしい。そもそも医療とは何か? 医者とは何? 世界を放浪後、故若月俊一氏に憧れ佐久総合病院の門を叩き、地域医療を実践する異色の医者が、信州の奥山から「医の原点」を問いかけます。

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