前回の当コラムで、公衆衛生を主体的に担おうとしている若い世代の医療者が「プライマリヘルスケア」(PHC)を歴史的に学ぼうとする姿勢について触れた。背景には高度細分化した医療技術だけでは人びとの健康を保ち得ない現実があり、経済力や周囲の仲間とのつながり、生活習慣といった健康の社会的決定要因(SDH)の大切さを見直そうとする機運が高まっていることに言及した。
 ここでもう一歩、PHCの実践活動に踏み込んでみたい。1978年の国際会議で採択されたアルマアタ宣言では、PHCについて「すべての人にとって健康を、基本的人権として認め、その達成の過程において、住民の主体的な参加や自己決定権を保証する理念であり、方法・アプローチでもある」と定義づけている。
 キーワードは「住民の主体的な参加や自己決定権」である。ふだん大病院にいて、目の前の患者さんを次から次へと診察しなくてはならない勤務医にはピンとこないかもしれないが、住民参加こそPHCの核心といえるだろう。

住民とのコミュニケーションに欠かせないものの画像

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