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住民とのコミュニケーションに欠かせないもの

2018/09/28
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 前回の当コラムで、公衆衛生を主体的に担おうとしている若い世代の医療者が「プライマリヘルスケア」(PHC)を歴史的に学ぼうとする姿勢について触れた。背景には高度細分化した医療技術だけでは人びとの健康を保ち得ない現実があり、経済力や周囲の仲間とのつながり、生活習慣といった健康の社会的決定要因(SDH)の大切さを見直そうとする機運が高まっていることに言及した。
 ここでもう一歩、PHCの実践活動に踏み込んでみたい。1978年の国際会議で採択されたアルマアタ宣言では、PHCについて「すべての人にとって健康を、基本的人権として認め、その達成の過程において、住民の主体的な参加や自己決定権を保証する理念であり、方法・アプローチでもある」と定義づけている。
 キーワードは「住民の主体的な参加や自己決定権」である。ふだん大病院にいて、目の前の患者さんを次から次へと診察しなくてはならない勤務医にはピンとこないかもしれないが、住民参加こそPHCの核心といえるだろう。

著者プロフィール

色平哲郎(JA長野厚生連・佐久総合病院 地域医療部 地域ケア科医長)●いろひら てつろう氏。東大理科1類を中退し世界を放浪後、京大医学部入学。1998年から2008年まで南相木村国保直営診療所長。08年から現職。

連載の紹介

色平哲郎の「医のふるさと」
今の医療はどこかおかしい。そもそも医療とは何か? 医者とは何? 世界を放浪後、故若月俊一氏に憧れ佐久総合病院の門を叩き、地域医療を実践する異色の医者が、信州の奥山から「医の原点」を問いかけます。

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