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地球にやさしい家に住もう

2008/08/25

 先日、長野県茅野市のユニークな介護施設桜ハウス玉川」に足を運んだ。
 職員数は20人、デイサービスを利用する高齢者は25人。
 ショートステイは20人まで受け入れ、要介護度が高いお年寄りにも対応する
 小規模多機能型の施設である。

 と書くと一般的な施設のようだが、ここの「建物」は日本で他に
 類例のない省エネルギー工法で造られている。

 鉄筋コンクリート造の2階建てで、外壁に厚さ30cm、
 屋根には40cmもの断熱材を張り、窓には断熱性能の高い
 三重ガラスの樹脂サッシなどがはめ込まれている。
 建物に服を着せたように断熱材が外側をすっぽり覆っているのだ。

 いわゆるRC(鉄筋コンクリート)外断熱工法で、
 徹底的に省エネ性を追求している。

 以前から親しくしているノンフィクション作家・山岡淳一郎が今年の
 7月に出版した『地球にやさしい家に住もう』(朝日新聞出版)を読んで、
 この桜ハウス玉川の存在を知った。

 山岡は日本医療制度の父ともいえる後藤新平に焦点を当てた
『後藤新平 日本の羅針盤となった男』(草思社)なども著している。

 今回の「地球にやさしい家に住もう」では北海道から沖縄まで、
 さまざまなエコ建築の現場を訪ね歩き、そこで暮らしている住民や設計者、
 施工者たちへのインタビューを通して「住まい」のあり方を問うている。

 実際に今回桜ハウス玉川を訪ねて、スタッフの方々と話し、
 医療や介護施設における省エネ性の大切さを再認識させられた。

 熱橋(ヒートブリッジ:断熱された建物の壁などの内部で部分的に
 できる熱を伝えやすい箇所)ができないように綿密に工夫された
 工法なので、建築にかかる初期コストは高めだが、
 光熱費は驚くほど節約できる。

著者プロフィール

色平哲郎(JA長野厚生連・佐久総合病院 地域医療部 地域ケア科医長)●いろひら てつろう氏。東大理科1類を中退し世界を放浪後、京大医学部入学。1998年から2008年まで南相木村国保直営診療所長。08年から現職。

連載の紹介

色平哲郎の「医のふるさと」
今の医療はどこかおかしい。そもそも医療とは何か? 医者とは何? 世界を放浪後、故若月俊一氏に憧れ佐久総合病院の門を叩き、地域医療を実践する異色の医者が、信州の奥山から「医の原点」を問いかけます。

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