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タイの外国人専用病院に驚く

2008/02/11

 昨年末から年始にかけて十数年ぶりにバングラデシュ、
 そしてタイ、ラオスを訪ねた。

 かつて「戦場」だった地域が急激に「工場」、そして「市場」へと
 変貌している様を目の当たりにした。

 バングラデシュ、人々は相変わらず貧しく、
 ハリケーン被害の爪跡も痛々しかったが、
 人々の発散するエネルギーはもの凄かった。

 市場化の大波が押し寄せていたのはタイ。

 大河の対岸、ラオス領のフェイサイから世界遺産の古都ルアンプラバンまで
 メコン川を約200キロ、6時間かけて船で下った。

 メコン下りの途上、岸辺のスロープではゾウの群れが木材を運ぶ。
 ラオスでは、メコン南岸のタイ通貨「バーツ」がそのまま通用した。

 首都バンコクの富裕層と貧困層の格差はとめどもなく広がっている。
 日本で見たこともないような、新築の豪華デパートに着飾った買い物客が溢れていた。

 かつて日本の団体客が埋めつくした目抜き通りに、中国語とハングルが響きわたる。

 日本の経済的地位は確実に下がっている。
「外」に出るとよく分かる。

 バンコクの外国人専用病院には驚かされた。
 
 なかでも「バムルンラード・インターナショナル」は、
 超豪華ホテルと見紛う造りで、各国語別の診療通訳窓口がずらりと並ぶ。

 ロビーのソファーの隣にはスターバックス。
 これが、メディカルツーリズムというものなのか。
 
 国内と遜色ない、いやひょっとすると日本以上の外来・入院の医療サービスを、
 日本国内の保険医療機関での給付を「標準」として受けることができる。

著者プロフィール

色平哲郎(JA長野厚生連・佐久総合病院 地域医療部 地域ケア科医長)●いろひら てつろう氏。東大理科1類を中退し世界を放浪後、京大医学部入学。1998年から2008年まで南相木村国保直営診療所長。08年から現職。

連載の紹介

色平哲郎の「医のふるさと」
今の医療はどこかおかしい。そもそも医療とは何か? 医者とは何? 世界を放浪後、故若月俊一氏に憧れ佐久総合病院の門を叩き、地域医療を実践する異色の医者が、信州の奥山から「医の原点」を問いかけます。

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