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臨床研究の「厳格化」にどう立ち向かうか

2018/01/23
井上 雅博

 降圧薬の医師主導臨床研究において製薬企業がデータ解析に関与したため、発表論文に問題があったとして利益相反(COI: conflict of interest)の問題がメディアで大きく報道されてから5年以上が経過しました。この反省を元に、再発防止を目的とした臨床研究法が昨年春に国会で成立し、公布されました(詳細は厚生労働省資料を参照)。

 この法律により、薬機法(旧薬事法)における未承認・適応外の医薬品などの臨床研究や、製薬企業などから資金提供を受けて行われる医薬品などの臨床研究は「特定臨床研究」として位置付けられ、規制が強化されました。

 臨床研究法では、臨床研究の実施手続き、後述する「認定臨床研究審査委員会」による審査、臨床研究に関する資金の提供に関する情報公表の仕組みなどが定められています。臨床研究に対する国民の信頼確保を図り、保健衛生の向上に寄与することを目的として制定されたのですが、一方でこの法律は、大学や医療研究機関における臨床研究の運営、実施に大きな影響を与えました。

 特に昨年は改正個人情報保護法の施行もあり、従来認められていたオプトアウト(対象患者から直接同意を取得する代わりに、研究の情報公開を行い拒否の機会を保証する方法)が制限され、同意説明文書をはじめとする研究関連文書の改訂が必要になりました。

著者プロフィール

井上雅博〇いのうえまさひろ氏。1993年島根医科大学卒。名古屋大学循環器内科に入局、外資系製薬企業、脳神経センター 大田記念病院(広島県福山市)を経て製薬企業に移籍。東京医科歯科大学大学院医療政策情報学分野大学院研究生としてDPCデータの研究に携わっている。

連載の紹介

ニュースウォッチャー井上雅博の「世相を斬る」
日々、新聞やネットで医療に関するニュースをもとに、skyteamの名前でアルファブロガーとして活動してきた井上氏が、ニュースをもとに考察していきます。

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