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待合室のテレビで見るラブシーンの気まずさ

2019/05/08

 医院の仕事がない日、私はある習い事をしている。教室は講師の先生の自宅で、いつも先生が音楽を流してくださるのだが、ある日、「今この歌手にはまっているの」とCDをかけ始めた。特に好きでもない、同じ歌手の曲を長時間聞き続けるのは、なかなか忍耐を要した。

 その後、「BGMはなくても構いません」と伝えたのだが、音楽を流すのをやめた後はテレビをつけるようになった。やがてドラマが始まると、ラブシーンが映し出された。教室には中年女性しかいなかったが、子どもの頃に親と一緒にテレビを見ていてラブシーンが流れたときのような気まずさだった。

 自分が患者としてほかの医療機関を受診した際にも、同じような思いをしたことがある。待合室のテレビで、濃厚なラブシーンが大映しにされたのだ。受付の事務職員は仕事に集中していて、テレビにまで気が回らない様子。なんだか気恥ずかしくなり、テレビから目をそらして雑誌を読むのに没頭しているふりをした。

連載の紹介

はりきり院長夫人の“七転び八起き”
開業21年目の無床診療所で、院長である夫を支える。持ち前のバイタリティーと患者目線のきめ細かな気配りで、医院の活性化に日々努めている。(このブログは、医療と介護の経営情報誌「日経ヘルスケア」で連載されている同名の人気コラムの転載です)

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