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感性豊かな子供たちに、もっと医療福祉体験を!
「トウキョウもっと!元気計画研究所」オンエア報告

2009/05/12

介護体験で生き生きとした表情を見せる子供たち(写真提供:テレコムスタッフ ※二次使用厳禁)

 先日の当ブログ(こちら)でご案内したTV番組「トウキョウもっと!元気計画研究所」が、3月21日(土)の夜8時からオンエアされました。今回は、この番組で特に私が印象的に残った部分をご紹介いたします。

 東京の医療福祉は、人員不足と予算不足で崩壊の危機にあります。番組内ではまず、人口当たりの日本の医師や看護師数が世界的にみて少ないこと、次に、平成19年度「事業所における介護労働実態調査」によれば、介護職員が不足していると答えた事業所が全国では75.2%にも上り、中でも東京都では90.8%に達していることが紹介されました。実際に介護の現場では、低賃金など労働条件の悪さが離職者を増やし、それがさらなる労働環境の悪化を招くという、悪循環に陥っています。このため、介護・福祉の養成校も定員割れをしているのが現状です。

 このような深刻な医療や福祉の現場を改善するために、今回の番組では、私と品川介護福祉専門学校副教員の別府明子さんが「医療福祉体験を必修にしよう条例」を提案しました。

 まず、本条例に対して4人の都議会議員さんの意見を聞くと、ほぼ皆さんが基本方針には賛成でした。しかし、「実際の教育現場では、マンパワー不足などの問題で、実現は容易ではないのでは」との感想がありました。これに対して私は、日本では、医療のみならず教育に対しても、投入される公的資金が世界的に見て少ないことを挙げて、この条例が良いと考えるのなら、議員さんたちの力で医療や教育により多くの税金を投入していただけるようお願いしました。

 さて、その後に都内の八王子市立南大沢小学校の4年生を対象に試行された「1日福祉体験」の模様がVTRで紹介されました。

 まず、別府明子さんが、小学校の子供たちにお年寄りの特性を知ってもらうために、眼鏡(視力が低下する)や手袋をかけて買い物をする体験をしてもらいます。子供たちは、視力が低下したり、手の動きが悪くなった時のお年寄りの気持ちを実感として理解できたようです。さらに、車いすを押して段差を越えるお手伝いを実践し、補助する際に相手に声をかけて安心感を与えることの重要性を認識してもらいました。子供たちは、相手の身になって考えて行動することが、医療や介護の現場では大切であることを感じられたようです。

 その後、VTRでは、子供たちが近くの介護支援センター「こころ」でお年寄りのお話し相手になったり、お年寄りが帰る時に上着を着るお手伝いをする体験の模様が紹介されました。初めはお年寄りと話すことすら躊躇(ちゅうちょ)していた子供たちも、すぐに話が弾むようになり、自分たちと話してお年寄りがうれしそうな様子や、帰宅時に上着を着せるお手伝いの時に、感謝して涙ぐむお年寄りの表情から、多くのことを学んでいたようです。

 そして、この体験を通しての子供たちの感想がすごかったのです。

著者プロフィール

本田宏(済生会栗橋病院院長補佐)●ほんだ ひろし氏。1979年弘前大卒後、同大学第1外科。東京女子医大腎臓病総合医療センター外科を経て、89年済生会栗橋病院(埼玉県)外科部長、01年同院副院長。11年7月より現職。

連載の紹介

本田宏の「勤務医よ、闘え!」
深刻化する医師不足、疲弊する勤務医、増大する医療ニーズ—。医療の現場をよく知らない人々が医療政策を決めていいのか?医療再建のため、最前線の勤務医自らが考え、声を上げていく上での情報共有の場を作ります。

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