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国立大の借金1兆円―なぜ現場が背負わされるのか

2009/02/17

 先日はナショナルセンター独法化問題で国立がんセンターが抱える600億円にも上る巨額の借金についてご紹介しましたが(こちら)、全国の大学も膨大な借金を抱えているようです。

 2月6日付けの「キャリアブレインニュース」によると、山形大学の嘉山孝正医学部長は2月4日、文部科学省が全国の大学病院の院長らを集めた「国公私立大学医学部長会議」で、「大学医学部の危機-正しい情報の共有-」と題した講演を行い、「大学がやらなければならない教育、研究、高度先進医療が全部危機に瀕している。“大学人”として、きちんと意見を言わなければならない」と訴えられたそうです。嘉山氏のお許しをいただきましたので、ここでそのごく一部をご紹介いたします。

 嘉山氏はまず、「大学(医学部)がやらなければならないことは、教育と研究と高度先進医療ですが、これが全部、危機に瀕しているのではないかと私は考えています。われわれのロジスティックスが完全に崩壊している…」と前置きをされて、以下のような問題点を指摘されました。

 現在の大学の定員は、昭和31年にできた大学設置基準により、(720人までの)学生数に対する教官の数が(140人と)決められています。この基準を増加させなければ、教官の増員のための予算を文科省が財務省に働きかけられない、という問題があるそうです。病院勤務医の配置基準(標準医師数)も60年以上放置されていますが(詳しくはこちら)、大学教官も同様だったのです。

著者プロフィール

本田宏(済生会栗橋病院院長補佐)●ほんだ ひろし氏。1979年弘前大卒後、同大学第1外科。東京女子医大腎臓病総合医療センター外科を経て、89年済生会栗橋病院(埼玉県)外科部長、01年同院副院長。11年7月より現職。

連載の紹介

本田宏の「勤務医よ、闘え!」
深刻化する医師不足、疲弊する勤務医、増大する医療ニーズ—。医療の現場をよく知らない人々が医療政策を決めていいのか?医療再建のため、最前線の勤務医自らが考え、声を上げていく上での情報共有の場を作ります。

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