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私は現場から繰り返し、繰り返し訴え続けていく
読売テレビ「たかじんのそこまで言って委員会」出演を振り返って

2008/09/30

 前々回の本ブログ(こちら)で、9月14日放送の「たかじんのそこまで言って委員会」への出演告知をしました。オンエアを見ていただいた方、どうもありがとうございました。一部、放送エリア外の方から、内容を紹介してほしいとのご要望をいただきましたので、かいつまんでご報告します。

 収録は9月5日、読売テレビにて1時間近く行われましたが、放送されたのはその半分程度でした。
 
 医療崩壊を取り上げたコーナーでは、冒頭、おどろおどろしく「最終警告! 本当は怖い日本の医療~このまま放っておくと大変なことになりますよ!」というVTRが流されました。そこでは、日本の医療を患者に見立てて、5つの“症状”が紹介されました。

症状(1)医師不足
 ナレーション「いち早く症状が現れたのが産婦人科。まるで手足の先からしびれが出るように、地方の産婦人科の閉鎖が相次ぎ、出産難民や患者たらい回しが急増しました。最大の原因は産婦人科医の不足。出産は時間を問わないため勤務が過酷で、ひとたび不慮の事態になれば、大野病院事件のように逮捕される恐れもあり、敬遠されるようになったのです」。

 「同様の問題を抱える小児科や救急医療の現場も、既に医師不足は深刻で、リスクを恐れるなどの理由から、皮膚科や眼科などの医師ばかりが増えているとか。とすれば今後ほかの診療科も…」。

症状(2)暴走する患者
 ナレーション「一方、医療現場の荒廃に拍車をかけているのが、傍若無人な患者、モンスター・ペイシェントの出現。厚生労働省は2001年、“医療はサービス業”として、患者のことを「患者様」と表現するように通達。その結果、サービスされて当然という態度の「患者様」が急増。良心的な医師ほど対応に悩んで医療現場から去ってしまうという悪循環に陥っています」。

症状(3)厚生労働省の愚策
 ナレーション「こうした医療崩壊を止めるために、医療報酬の充実が叫ばれていますが、医療報酬の元となる保険点数を握っているのが、厚労省の諮問機関である中医協(中央社会保険医療協議会)では期待できないと言う声も上がっています」。

 「『誰が日本の医療を殺すのか』などの著書がある済生会栗橋病院副院長・本田宏医師は、厚労省こそが医療費亡国論、つまり医療費増大が国家財政を破綻させるという考え方を打ち出した張本人であり、医師数の抑制などの医療費削減政策をリードしていると述べています。国民の命を守る総元締めが、金のことしか考えていないのならば…」。

症状(4)保守化する医師
 ナレーション「一方で、厚労省の愚策を責める医師側にも問題があるのでは、と指摘する声もあります。医療費増加の原因には、薬漬け・検査漬けといった病院の保険点数稼ぎや、医療現場と医薬業界の癒着があると言われています」。

 「さらに、医療ミスの再発防止策の決定版と言われる医療版“事故調”、医療安全調査委員会の設置も、一部の医師は『刑事事件として逮捕される恐れがある』と大反対。これまで、医療ミスの際、カルテの改ざんや情報隠しで、身内をかばい続けた体質は変わっていないように見えます」。

 

著者プロフィール

本田宏(済生会栗橋病院院長補佐)●ほんだ ひろし氏。1979年弘前大卒後、同大学第1外科。東京女子医大腎臓病総合医療センター外科を経て、89年済生会栗橋病院(埼玉県)外科部長、01年同院副院長。11年7月より現職。

連載の紹介

本田宏の「勤務医よ、闘え!」
深刻化する医師不足、疲弊する勤務医、増大する医療ニーズ—。医療の現場をよく知らない人々が医療政策を決めていいのか?医療再建のため、最前線の勤務医自らが考え、声を上げていく上での情報共有の場を作ります。

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