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政治を動かせ!後期高齢者医療制度の撤廃に向けて

2008/05/13

後期高齢者医療制度についてヒアリングを目的として民主党が主催した勉強会。会場外に人があふれるほどの熱気でした。

 民主党後期高齢者医療制度についてのヒアリングのために主催した「厚生労働部門会議(後期高齢者医療制度勉強会)」が5月7日、衆議院第一議員会館第1会議室で開催されました。

 私もお呼びいただいたので、医療崩壊を食い止めるために、と意気込んで参加してきました。後期高齢者医療制度の問題がメディアで大きく取り上げられているタイミングでもあり、会場にはメディアを含め、多くの聴衆が駆け付け、立錐の余地もないほどで、熱気に包まれていました。

 会合は、午後1時から2時間余りにわたって行われました。前半の約1時間は、後期高齢者医療制度について、いち早く反旗を翻して渦中の人となられた茨城県医師会会長の原中勝征氏が講演されました。後半は、高齢者医療におけるリハビリテーションの問題点を指摘して、行政訴訟を起こした回復期リハビリテーション病棟勤務医の澤田石順氏、私、さらに国民を代表して2人の高齢者に対するヒアリングが行われました。

 ヒアリングの中で、鈴木寛議員から、私が配布した資料を詳細に説明するよう促していただいたので、この際と思い、日本の医療崩壊の根底にあるG7中最低の医療費と、理不尽な医師の絶対数不足などについて解説し、「道路と命、どちらが大切ですか!」と訴えました。また、出席を希望されたものの、当日、体調を崩されて出席できなかった東京大学名誉教授の多田富雄先生のメッセージを代読させていただきました。

 ヒアリングには、厚生労働省からも4人が参加されていましたが、国会議員の方々からの質問に対して、厚労省の方々からはなかなか納得できる答えは得られず、「後日、書面で回答します」と答える場面が多かったのが残念でした。当日の様子は、澤田石氏のホームページでも報告されていますので(こちら)、詳細はそちらに譲ります。

 このブログでは、私が代読させていただいた多田先生のメッセージを、皆さんにもお届けしたいと思います。

5月7日へのメッセージ
 国政を担っている国会議員の皆様。
こうして病床からメッセージを送ることをお許しください。
今この国で起こっている恐ろしい現実を、ぜひ皆さんのお力で阻止していただきたいと、失礼を省みず書いています。

 この4月から施行された後期高齢者医療制度は、75歳以上の患者、65歳からの障害者の命を差別し、病気が治らない患者には、医療を制限し、早く死ねという、露骨な非人道的制度です。もしこれを座視すれば、この国のモラルは破壊され、いつかは国自身が崩壊するのではないかと、私は本気で憂いています。

小泉改革で推し進められた強引な医療費削減政策は、まず無情なリハビリ制限を強行し、見る見るうちに患者の療養権、医師の医療権を踏みにじった、今度の後期高齢者医療制度を生み出しました。この制度は、日本の医療を破壊し、医師の心を萎縮させ、高齢者や患者の人権を踏みにじるばかりか、日本国憲法にも違反している疑いが濃厚だと私は思っています。

世界に誇る国民皆保険まで崩壊させる危機を招いては、もはやこれを放置することはできません。私たち高齢者も戦います。どうかこの事態を国の危機と見て、この制度の撤廃までがんばってください。

                       東京大学名誉教授 多田富雄

著者プロフィール

本田宏(済生会栗橋病院院長補佐)●ほんだ ひろし氏。1979年弘前大卒後、同大学第1外科。東京女子医大腎臓病総合医療センター外科を経て、89年済生会栗橋病院(埼玉県)外科部長、01年同院副院長。11年7月より現職。

連載の紹介

本田宏の「勤務医よ、闘え!」
深刻化する医師不足、疲弊する勤務医、増大する医療ニーズ—。医療の現場をよく知らない人々が医療政策を決めていいのか?医療再建のため、最前線の勤務医自らが考え、声を上げていく上での情報共有の場を作ります。

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