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戦後教育の忘れ物
―歴史、信仰、宗教

2008/04/14

 4月から後期高齢者医療制度がスタートしました。世界一のスピードで高齢化が進む日本で、高齢者切り捨てともいえる制度が強行導入されたのですから、さすがの国民も「おかしい」「この制度には大きな問題がある」と気付いたようです。新聞やテレビの報道番組でも大々的に取り上げられています。
 
 私は全国で講演をしながら、「なぜ日本は、こんなにまで自国民を大切にしない国になり下がってしまったのだろう…」と疑問を抱くようになりましたが、先日、与野党の国会議員が討論する日曜朝のテレビ番組で大変興味深い話を耳にしました。

 それは、民主党の野田佳彦氏が紹介した「戦後教育の忘れ物」についての話題です。「還暦を少しばかり過ぎたある方が、京都大学在学中に、『アーロン収容所』などの著書でも有名な会田雄次先生からお聞きした話が、今ごろになってしみじみと思い出されると述懐されました。会田先生は、『君たちが社会に出て、いずれ各界のリーダーになったころの日本が心配だ。なぜならば、君たちが受けた戦後教育では、3つのことが全く教えられていないからだ。第1に歴史、第2に信仰、第3に人の道(倫理)だ』と語られたそうです」と野田氏は紹介されました。

 「第1に歴史、第2に信仰、第3に人の道(倫理)」―私は「まさにその通り!」と、思わず膝を打ってしまいました。

 中学や高校で学ぶ歴史は、原始時代から明治時代ぐらいまでで、近代以降は駆け足で終わってしまうことが多く、その内容も試験に出される歴史上の人物や年号を覚えることが中心になっているのではないでしょうか。私自身、中学や高校の歴史の授業で、歴史を学ぶ本当の意味や、歴史から得られる教訓を自身で考えた機会は少なかったように思います。

 しかし本来、歴史を学ぶということは、その時代の人々の営みや考え方を学び、自分がこれからどう生きるかを考える礎にするということだと思います。そして、歴史から学ばないと、人は同じ過ちを何度も繰り返してしまうのです。

著者プロフィール

本田宏(済生会栗橋病院院長補佐)●ほんだ ひろし氏。1979年弘前大卒後、同大学第1外科。東京女子医大腎臓病総合医療センター外科を経て、89年済生会栗橋病院(埼玉県)外科部長、01年同院副院長。11年7月より現職。

連載の紹介

本田宏の「勤務医よ、闘え!」
深刻化する医師不足、疲弊する勤務医、増大する医療ニーズ—。医療の現場をよく知らない人々が医療政策を決めていいのか?医療再建のため、最前線の勤務医自らが考え、声を上げていく上での情報共有の場を作ります。

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