日経メディカルのロゴ画像

医療人にとってのガソリン税と“政治道路”

2008/01/30

 先日、講演のため九州から四国へ向かう新幹線の車内で、『WEDGE』(2008年2月号)という雑誌の記事を読んで驚きました。「膨らむ道路のムダ 小泉内閣の虚構に目を向けよ」というタイトルで、慶応義塾大学総合政策部の加藤秀樹教授が、現在国会で大問題になっている日本の道路予算ついて、鋭く切り込んだ記事です。

 加藤教授は、「道路公団改革は予定どおり失敗した」と断言しています。そのことを明瞭に示したのは、昨年11月に国土交通省が発表した「道路の中期計画(素案)」だといいます。この中で国交省は今後10年間、道路特定財源を使い切り、計画された高速道路すべてに着工すると明記し、ムダを削る気などさらさらないことが明らかになったのです。

 今、国会の争点はガソリン暫定税率を延長するか否か。与党は「日本の道路はまだ整備されていない」の一点張りでガソリン税の延長を叫んでいます。「本当に日本の道路はまだ整備されていないのだろうか?」と思っていた矢先に、加藤教授の記事を目にしたのです。記事中には、主要各国の道路密度比較のグラフが掲載されていました(図1)。このグラフを見る限り、「日本の道路はまだ整備されていない」という主張の信ぴょう性は、かなり疑わしいといわざるを得ません。

著者プロフィール

本田宏(済生会栗橋病院院長補佐)●ほんだ ひろし氏。1979年弘前大卒後、同大学第1外科。東京女子医大腎臓病総合医療センター外科を経て、89年済生会栗橋病院(埼玉県)外科部長、01年同院副院長。11年7月より現職。

連載の紹介

本田宏の「勤務医よ、闘え!」
深刻化する医師不足、疲弊する勤務医、増大する医療ニーズ—。医療の現場をよく知らない人々が医療政策を決めていいのか?医療再建のため、最前線の勤務医自らが考え、声を上げていく上での情報共有の場を作ります。

この記事を読んでいる人におすすめ