日本の低医療費を国力並みに引き上げようと主張する時に、大きな障壁となるのが、「日本の医療には無駄が多く、その典型は不正請求だ」という経済界や一般社会の評価です。以前にも不正請求と不当請求について触れたことがありましたが、もう一度、考えてみたいと思います。
「不正請求」とは本来、何を指しているのでしょうか。実は私自身、その正確な定義は、ついこの前まで知りませんでした。私が「不正請求」の詳細を知ったのは、皮肉なことに、日本の低医療費の理論的根拠となった“医療費亡国論”が主張されていた当時の厚生省の吉村仁保険局長の「医療費をめぐる情勢と対応に関する私の考え方」の中でした(詳細は2006.10.3「医療費亡国論は保険局長の“私の考え方”」をご覧ください)。
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著者プロフィール
本田宏(済生会栗橋病院院長補佐)●ほんだ ひろし氏。1979年弘前大卒後、同大学第1外科。東京女子医大腎臓病総合医療センター外科を経て、89年済生会栗橋病院(埼玉県)外科部長、01年同院副院長。11年7月より現職。

連載の紹介
本田宏の「勤務医よ、闘え!」
深刻化する医師不足、疲弊する勤務医、増大する医療ニーズ—。医療の現場をよく知らない人々が医療政策を決めていいのか?医療再建のため、最前線の勤務医自らが考え、声を上げていく上での情報共有の場を作ります。
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