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参院選いよいよ公示、医療政策は選挙で変わる? 

2007/07/12

「医療政策は選挙で変える」権丈善一著(慶應義塾大学出版会) 参議院選挙の投票を悩んでいる人には必読の書だ。

 「9.11の郵政民営化選挙の際、よもや、与党に投票した医療関係者はいなかったでしょうね。あの時、既にこの国の医療政策がどの方向に向っていくかということは、分かっていたんですけどね」――これは、「医療政策は選挙で変える」(権丈善一著、慶應義塾大学出版会)の帯に書いてある刺激的な一文です。

 本日、第21回参院通常選挙が公示され、29日の投開票日に向けて、選挙戦に突入しました。医療関係者の多くが、現在の日本の医療崩壊を食い止めたいと思ってはいても、来る選挙でどの政党を、そしてどの候補者を選択すべきか分からずに、悩んでいるのが現状ではないでしょうか。権丈氏の主張は、以前このブログでも紹介しましたが(2007.3.8「政策は力が作るのであって正しさが作るのではない」)、今回の選挙は、今後の日本が、そして日本の医療が、どのような未来を迎えるか、まさに選択の時だといえます。

 「医療政策は選挙で変える」の背表紙側の帯には、「“政策は所詮力が作るのであって正しさが作るのではない”なんて言ってはいるけど、僕は多くの国民には同情、思いやりの心があり、みずからの利害得失だけではなく社会全体を見わたしての軽重是非を判断する能力、善悪への“判断の明”をもっていると思っている。だから、正しさを訴え続ければ、いつの日にか、その正しさは力を持ちうるとも思っている。でもその正しさをひろく有権者のところにまで伝えるのは、残念ながらメディアしかないんだよ」と続きます。

 参院選挙を控えた現在、各政党が医療に対してどのような見解(マニフェスト)を持っているか、知っておく必要があります。以下に、毎日新聞が行った主要政党アンケートの結果を紹介します(毎日新聞東京朝刊、2007年6月25日、詳細はこちら)。

■主要各党が参院選で訴える主な医師不足対策■

◇自民・公明
不足地域に国が緊急的に医師を派遣する体制を整備。研修医の都市への集中を是正するため、臨床研修病院の定員を見直す
◇民主
10%削減された医学部定員を元に戻し、地域枠、学士枠、編入枠とし、医師育成の時間短縮や地方への医師定着を図る
◇共産
閣議決定を撤回し、医師養成数を抜本的に増やす
◇社民
医師を増員し、労働環境を改善するとともに、医療の高度化・複雑化への対応、質と安全の向上を行う
◇国民新党
OECD並みの医療費確保を公約として掲げ、世界一の国民皆保険制度の堅持を目指す

 

著者プロフィール

本田宏(済生会栗橋病院院長補佐)●ほんだ ひろし氏。1979年弘前大卒後、同大学第1外科。東京女子医大腎臓病総合医療センター外科を経て、89年済生会栗橋病院(埼玉県)外科部長、01年同院副院長。11年7月より現職。

連載の紹介

本田宏の「勤務医よ、闘え!」
深刻化する医師不足、疲弊する勤務医、増大する医療ニーズ—。医療の現場をよく知らない人々が医療政策を決めていいのか?医療再建のため、最前線の勤務医自らが考え、声を上げていく上での情報共有の場を作ります。

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