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「処方せんは医者には書かせない」
なぜなら、忙しい医者が書くと必ず間違えるから

2007/07/05

 前回は「医療訴訟は医療ミス削減に寄与するのか」と題して、ロバート・ウッド・ジョンソン財団のローズマリー・ギブソン女史の講演、さらに日本の演者の発言を紹介しました。その後、「そういえば、日米の医療安全に関する考え方で、驚くべき違いを聞いたことがあった」と思い出したことがありますので、少し古い話になりますが紹介したいと思います。

 2004年3月13日に横浜で開催された「7th Breast Cancer UP-TO-DATE Meeting」での講演内容です。演者は上野直人氏で、「外来化学療法を安全に行うために」と題して米国の外来化学療法の現状について講演をされました。上野氏は、米国テキサス州のM.D.アンダーソン癌センターで癌治療のAssistant Professorとして活躍されていました。その当時は、日本でも外来化学療法を多くの施設で導入しようとしていた時期で、会場は上野氏の講演を一言も聞き漏らさないように、と全国から集まった医師の熱気であふれていました。

 「米国では、『チーム医療』と『患者の権利』について医療スタッフが熟知しておくことはもちろん、『患者教育』を重視している。これは外来化学療法の場でも同様で、医師の仕事を分担できる薬剤師、看護師を養成して、医師の仕事を軽減、結果的に安全向上につなげている。抗癌剤投与も、薬剤師が処方せんに記入し、医師が確認、投与前に再び看護師が確認、と何重にもチェックを重ねるシステムで行っている」と上野氏は話しました。

著者プロフィール

本田宏(済生会栗橋病院院長補佐)●ほんだ ひろし氏。1979年弘前大卒後、同大学第1外科。東京女子医大腎臓病総合医療センター外科を経て、89年済生会栗橋病院(埼玉県)外科部長、01年同院副院長。11年7月より現職。

連載の紹介

本田宏の「勤務医よ、闘え!」
深刻化する医師不足、疲弊する勤務医、増大する医療ニーズ—。医療の現場をよく知らない人々が医療政策を決めていいのか?医療再建のため、最前線の勤務医自らが考え、声を上げていく上での情報共有の場を作ります。

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