今年になって日本医師会やメディア、そして最近では厚生労働省までもが、勤務医の過酷な労働環境を認めてくれるようになったようです。以前から「日本の医師の絶対数は、グローバルスタンダードから大きく乖離し、これが医療崩壊の原因であり、その根底には医療費抑制政策がある」と主張してきましたが、最近の与党の動きから、これまでの硬直化した医療行政が大きく方針転換し、医師増員(医学部定員増)という流れもあり得るのでは、と期待しています。
しかし、最近の私のブログでのやり取りを見ていると、医学部定員増は医師の質を低下させる、と心配する方を散見します。その理由は、恐らく入学する人材の学力、つまり偏差値が相対的に低下すること、さらに医学教育のマンパワーの問題だと思います。今回は偏差値について考えてみたいと思います。
このブログを始めたときに自己紹介しましたが(2009.9.20「パイロットを断念して弘前大医学部へ」)、私はたまたま1973年に弘前大医学部に合格しました。入学時のガイダンスで、当時、医学部長だった故松永藤雄教授のあいさつを今でも時々思い出します。
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著者プロフィール
本田宏(済生会栗橋病院院長補佐)●ほんだ ひろし氏。1979年弘前大卒後、同大学第1外科。東京女子医大腎臓病総合医療センター外科を経て、89年済生会栗橋病院(埼玉県)外科部長、01年同院副院長。11年7月より現職。

連載の紹介
本田宏の「勤務医よ、闘え!」
深刻化する医師不足、疲弊する勤務医、増大する医療ニーズ—。医療の現場をよく知らない人々が医療政策を決めていいのか?医療再建のため、最前線の勤務医自らが考え、声を上げていく上での情報共有の場を作ります。
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