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「日本の病床数過剰」説のトリックを明かす

2006/11/06

 最近、子供の自殺や虐待など世の中は暗い話題ばかり。その中で、珍しく二つばかり明るい話題に注目しました。一つは保育園通園が認められた後の記者会見の青木鈴花ちゃんの屈託のない笑顔。もう一つは消費者金融のグレーゾーン金利の早期見直しです。

 自分だけが良ければという風潮が蔓延し、格差が拡大する世の中で、気管切開手術を受けたため吸引器によるたんなどの吸引が必要になった鈴花ちゃんを、皆で受け入れようという雰囲気と、鈴花ちゃんの笑顔は、本当に“一服の清涼剤”ともいえるものでした。

 また私は塩野七生さんの「ローマ人の物語」の愛読者ですが、2000年以上前のローマで、貸し金業の最高年利は10%だったようです。それが現在の日本ではなんと28%が公的に黙認されていたのですから、本当に情けない思いをしていました。ですので、消費者金融のグレーゾーン金利の早期見直しは、ぜひとも実現していただきたいと思っています。

 いつ自分や自分の家族が同様の立場になるかも知れないのが人生、皆で助け合う、そして甘いと言われるかもしれませんが、お互いの笑顔を見て喜ぶことができる、そのような社会にしなければ、とつくづく思いました。

 さて今回は、NHKの「日本のこれから」の中で、経済財政諮問会議メンバーのY氏が問題にした「日本の病床数が過剰である」という主張について考えてみたいと思います。

 今まで、多すぎる日本の病床数は、医療の無駄の代表格といわれてきました。果たして本当にそうなのでしょうか。

著者プロフィール

本田宏(済生会栗橋病院院長補佐)●ほんだ ひろし氏。1979年弘前大卒後、同大学第1外科。東京女子医大腎臓病総合医療センター外科を経て、89年済生会栗橋病院(埼玉県)外科部長、01年同院副院長。11年7月より現職。

連載の紹介

本田宏の「勤務医よ、闘え!」
深刻化する医師不足、疲弊する勤務医、増大する医療ニーズ—。医療の現場をよく知らない人々が医療政策を決めていいのか?医療再建のため、最前線の勤務医自らが考え、声を上げていく上での情報共有の場を作ります。

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