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医療崩壊の先輩、英国と同じ道を歩むのか

2006/10/11

 10月14日土曜日の午後7時から放送されるNHKの番組「日本のこれから」で、医療問題が取り上げられます。当直明けも取れない過酷な労働を強いられる医療現場の一例として、外科医の36時間連続勤務を密着取材したい、というNHKの取材申し込みを受けて、先週、済生会栗橋病院に取材クルーが入りました。

 慣れない取材ですので、外科スタッフは回診時に自然な歩行や会話ができずに戸惑っていました。それ以上に、当直明けの起き抜けやトイレまで密着された医師たちのストレスは大変なものでした。現場からの情報発信、と一口に言いますが、実際は大変なことだと痛感しました。さて、本番ではどのように仕上がっているでしょうか...。

 このブログのやり取りを見ていても感じますが、日本の医療の評価は残念ながら低下する一方のように感じます。虎ノ門病院の小松秀樹氏が、その著書『 医療崩壊―「立ち去り型サボタージュ」とは何か』(朝日新聞社刊)で主張されている通り、医療費抑制と安全要求という、相矛盾する2つの圧力が、医療現場を苦しめているのです。

 しかし今まで、医療が崩壊しそうな現実が、正しく国民の皆さんに知らされることはありませんでした。今回のNHKの番組が、日本の医療現場、特に急性期医療を担う勤務医の実態を白日の下にさらしてくれることを、心から祈っています。

 さて前回は、現在の日本医療の在り方を決めたともいえる1983年の「医療費亡国論」について書きました。今回はその後、医療費亡国論がどのくらい日本の医療費抑制に影響したかについて検証したいと思います。

著者プロフィール

本田宏(済生会栗橋病院院長補佐)●ほんだ ひろし氏。1979年弘前大卒後、同大学第1外科。東京女子医大腎臓病総合医療センター外科を経て、89年済生会栗橋病院(埼玉県)外科部長、01年同院副院長。11年7月より現職。

連載の紹介

本田宏の「勤務医よ、闘え!」
深刻化する医師不足、疲弊する勤務医、増大する医療ニーズ—。医療の現場をよく知らない人々が医療政策を決めていいのか?医療再建のため、最前線の勤務医自らが考え、声を上げていく上での情報共有の場を作ります。

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