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研修医に“手抜き”の極意を伝授する

2007/03/02

紀元80年ころの完成といわれるコロッセオ(中央は院長・飛岡隆)。コロッセオは闘技場で、剣闘士同士や猛獣と人間の戦いに5万人近くの市民が熱狂したという。中世以降は大理石の採石場と化し、今の姿になった。

 2月より2カ月間、個人的な関係で、診療所研修を受け入れている。診療所という医療現場を体験するのが目的である。個人情報保護の意味もあり、研修医のプロフィールの詳細は語れないが……。

 当院での研修項目は次の通り。

 1)医療保険制度の仕組み、レセプトについて
 2)保険診療・療養担当規則
 3)業務の流れ(受付から投薬まで)について
 4)一般外来診療について
 5)在宅医療について
 6)医療経営の基本について
   ・予算と決算、帳簿の読み方
   ・給与体系と経費計上・減価償却の概念
 7)人材育成の必要性と方法
 8)産業医活動について

 それぞれの細かい内容は、いろいろなところで説明されているので、割愛する。

 結婚には二つのパターンがあり、早期に結婚するタイプと、遅く結婚するタイプがある。この研修医、某開業医の後継男子であり、悪い虫が付く前に結婚させられた?ようである。なので、既に二人の子持ちである。そして、将来の継承開業に向けて、無床診療所について勉強しに来たのである。この2カ月の間に日本医師会認定産業医の資格を取ろうと、医師会にも入会して、積極的に研修会に参加している。見上げたものである。

 勉強熱心な研修医とは対照的に?、私は手抜きには自信がある。その極意は「80点主義」である(最低点が0点、合格点が60点、最高点が100点である)。

 医療は需要と供給の関係にあり、必要とされている医療に対して、常に合格点(60点)以上の80点を目標に供給することが大切である。一方、臨床現場での医療需要は常に変化しているので、最高点である100点の状況も把握しつつ、80点を目指さなければならない。

著者プロフィール

飛岡宏(飛岡内科医院副院長)●ひおか ひろし氏。1980年川崎医大卒後、岡山大第2内科入局。岡山労災病院、新居浜十全病院、岡山市立市民病院を経て、90年9月より飛岡内科を継承開業、副院長として現在に至る。

連載の紹介

飛岡宏の「開業医身辺雑記」
「コンピューターと医療の世界を結び付ける」ことをライフワークとする飛岡氏。日々の診療を通じて感じる開業医の喜びや悩み、実感する現代医療の問題点などを、肩の凝らないエッセイ風につづります。

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