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巨大ナマコの姿と味に二度びっくり

2007/02/05

これは、備前市日生港の料理屋で出されている「焼きなまこ」。内臓を取り、口先を切り落とし、塩水で洗って4~5分網で焼く。細切りにし、ポン酢醤油などで食べる。

 しばらく堅い話が続いたので、今回は微妙な固さと触感のナマコの話である。

 ナマコは、日本語では「海鼠」、中国語では「海参」、英語では「Sea cucumber」(海胡瓜)と書く。棘皮動物門ナマコ網ナマコ目マナマコ科で500以上の種類があるという。食用になるのは、マナマコ、オキナマコ、キンナマコ、赤ワタガジマルなど数種。マナマコには、赤・青・黒の3型があり、赤ナマコ(アカコ)は岩場、青ナマコ(アオコ)と黒ナマコ(クロコ)は湾内の砂泥に生息している。ナマコは水温25℃以下で活動が活発になり、夜になると海底を動き回るので海鼠と呼ばれている。産卵は水温20℃以上(5月頃)で行われるので、ナマコの旬は、産卵前の2~4月であるとされる。関西ではアカコ、関東ではアオコが好まれる。全国各地の近海で採れるので、どこの特産品ともいえない海産物である。

 料理方法は、新鮮なナマコを、塩もみしてヌメリを取り、縦に切って内臓を取り出し、細く輪切りにして、ポン酢を入れたら、でき上がり。取り出した内臓は、きれいに洗って塩をふれば「このわた」になる。このわた(内臓)から卵巣を選り分けたのが「このこ」あるいは「くちこ」で、ナマコは口から産卵するため、こう呼ばれる。これを干したのが、酒の肴として有名な「干くちこ」(バチコ:三味線のバチに見えるので)だ。バチコは炙って酒と一緒に呑むと、独特な旨味がある。私は、岡山県備前市にある(有)備前海産の製品が、お気に入りである。そのほかには「焼きナマコ」という料理方法もある。

 中国では、ナマコには「強精」の薬効があるとして、人参(朝鮮人参)に例えて「海参」と書く。神戸や横浜の中華街では、食材として、黒ナマコを煮上げて干したものを干海参(イリコ)として売っている。これは水で戻して、中華料理で使われる、コラーゲンたっぷりの食材である。八宝菜などに入っているのを食したことがある方も多いことと思う。健康食品でコラーゲンを摂るよりも関節には良さそうだ。

著者プロフィール

飛岡宏(飛岡内科医院副院長)●ひおか ひろし氏。1980年川崎医大卒後、岡山大第2内科入局。岡山労災病院、新居浜十全病院、岡山市立市民病院を経て、90年9月より飛岡内科を継承開業、副院長として現在に至る。

連載の紹介

飛岡宏の「開業医身辺雑記」
「コンピューターと医療の世界を結び付ける」ことをライフワークとする飛岡氏。日々の診療を通じて感じる開業医の喜びや悩み、実感する現代医療の問題点などを、肩の凝らないエッセイ風につづります。

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