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グアムの自然の中で考えた軍事…

2007/01/18

これは、グアムのアプラ港に建つ発電所。煙突からの排煙が大気を汚しており、港の海には廃船が放置されていた。日本ほど自然環境保護を考えていないようだ。

 1月12日から3泊4日で、グアムスキューバ・ダイビングに行ってきた。そこで、グアムに由来する話、特に米軍に関する話をしてみよう。

 私は、医学部を卒業した1980年春に、日本に一番近い米国であるグアムを訪れた。そのころのグアムは未開の田舎で、今でこそハワイのワイキキに並んで「グアムのタモン」として売り出しているタモン湾のホテル街も、ホテルはまばらで、日本資本のホテルは藤田観光ホテルくらいであった。それに反して、米国はベトナム戦争(1960-75年)終了に近いため、空軍基地の機能は今ほど機能低下していなかった。それから20余年の歳月が過ぎて、グアムは大きく変化した。

 グアム島は、マリアナ諸島の南西端に位置し、面積 549km2、人口 16万4000人、米国軍と観光が主力産業の米国準州(自治属領)である。グアムの北には北マリアナ諸島(Commonwealth of the Northern Mariana Island : CNMI : 米国の自治領)があり、太平洋プレートの縁に沿って小笠原諸島へと続き、その先に日本(富士山)がある。

 2002年12月8日(日)、グアム島の災害観測史上最大規模の台風により、全島が甚大な被害を受けた。北半球、赤道直下の島では島西部に街が多いのは、貿易風が東から吹き、台風の暴風雨が東側を直撃するからだが、そのグアム島北東部に位置する「アンダーソン空軍基地」は、台風の直撃を受けた。そのため、発電所からの送電線が切れ、碍子が塩水に曝されて使い物にならなくなった。

 空軍基地は短時間の停電に対しては、自家発電で対応できるようになっていたが、想定外の被害により、長期にわたる電力不足を起こし、混乱が続いた。空軍基地の航空管制機能は維持されていても、兵舎のエアコンが止まり、冷蔵庫も使えず、兵士は日々の生活に困ったのである。

 そこで、空軍関係者が私の知人に相談したそうだ。空軍基地内部に発電施設を作る必要があるが、建設する場所がない。航空機離発着の関係で高い煙突は建てられない。この時、知人はこうアドバイスしたそうだ。「滑走路の端に平屋を建て、ジェット・タービン発電機2機を設置せよ」。空軍なので、発電機が壊れても、ジェット・エンジンの専門家が大勢いるから、修理はお手のものだ。燃料(ジェット燃料のケロシン)も不足することはない。

著者プロフィール

飛岡宏(飛岡内科医院副院長)●ひおか ひろし氏。1980年川崎医大卒後、岡山大第2内科入局。岡山労災病院、新居浜十全病院、岡山市立市民病院を経て、90年9月より飛岡内科を継承開業、副院長として現在に至る。

連載の紹介

飛岡宏の「開業医身辺雑記」
「コンピューターと医療の世界を結び付ける」ことをライフワークとする飛岡氏。日々の診療を通じて感じる開業医の喜びや悩み、実感する現代医療の問題点などを、肩の凝らないエッセイ風につづります。

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