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オンラインレセ実現に電子認証の壁

2006/06/07

飛岡内科の待合室では、少しでも和らぎのある雰囲気になるよう、生け花を飾っている。これは5月末に生けた、どうだんつつじ、ギガンチウム、鳴子百合。患者さんにはいつも好評をいただいている。

 アルビン・トフラーが「第三の波」(1980年)を著してから、四半世紀以上経った。インターネットを使ったネットワーク社会が形成されて(IT革命)から10年が経過しようとしている。

 トフラーによると、第一の波(農業革命)で、人類は食糧問題を解決して飢餓から抜け出した。第二の波(産業革命)はエネルギー革命で、人類は膨大なエネルギーを制御することにより工業化社会を形成し、高速移動できる交通手段も手に入れた。そして第三の波(情報革命)は知識・知恵に関する革命であり、これは現在進行形である。

 IT革命には、4つの時期がある。
 1)黎明期(何もかもが新しくて新鮮な時期)
 2)普及期(じじ、ばば、女、子供が普通に使えるようになる時期)
 3)成熟期(技術が成熟していく時期)
 4)移行期(次の時代へ移行する時期)

 黎明期では、参加する人間が特定できる程度の数しかいなかっため、性善説で運用できた。それでも、ネット犯罪は最初から存在しており、米国防総省(ペンタゴン)は苦慮した結果、コアCPUをネットから切り離して運用する以外に、米国の軍事秘密を守る方法はなかった。民間においては、黎明期はネット・セキュリティーに投資するだけの必要性も余裕もなかった。

 10年の歳月がIT革命を黎明期から成熟期へ推し進めてきた。ネットワーク人口は爆発的に増加し「ネットワークが使えない者は障害者扱いする」という極端な意見まで出るほどになった。IPアドレスの枯渇が真剣に議論され、 IPv6 へ移行することが決まっている。IT革命が新しいステップに突入したことで、性善説で運用可能な時代は終わり、性悪説での運用を余儀なくされている。

著者プロフィール

飛岡宏(飛岡内科医院副院長)●ひおか ひろし氏。1980年川崎医大卒後、岡山大第2内科入局。岡山労災病院、新居浜十全病院、岡山市立市民病院を経て、90年9月より飛岡内科を継承開業、副院長として現在に至る。

連載の紹介

飛岡宏の「開業医身辺雑記」
「コンピューターと医療の世界を結び付ける」ことをライフワークとする飛岡氏。日々の診療を通じて感じる開業医の喜びや悩み、実感する現代医療の問題点などを、肩の凝らないエッセイ風につづります。

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