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「紙か、布か。それが問題だ」

2009/12/30
引地悠

おばあちゃん手製の帽子をかぶった娘です。

 「紙か、布か。それが問題だ」。赤ちゃんがいる家庭では、紙おむつと布おむつのどちらを使用するか、一度は考えたことがある命題ではないでしょうか。

 まだ私が娘を妊娠中のころのことです。母から1本の電話が入りました。「もし、赤ちゃんに布おむつを使うんだったら、縫ってあげるわよ」

 母によると、母が育児をしていた30年前は、布おむつが主流だったようです。「紙おむつよりも布おむつの方が、赤ちゃんの皮膚には優しいし、赤ちゃんが排泄の不快感を学びやすいから、おむつも早くはずれて、よいことずくめ」だそうです。

 また、母と同年代の私の上司も、双子のお嬢さんを布おむつで育てられたそうです。「物干しに、パーンとたくさんのおむつを干したものよ。そう快だったなあ」と、懐かしげに言われたのが印象的です。

 母からの打診を受けて、考えてみました。女性には共感してもらえそうですが、私は長年、生理用ナプキンをつけているときの不快感に悩んできました。紙おむつも、生理用ナプキンと同じような感覚を与えるとしたら、赤ちゃんは紙おむつを嫌がるだろうなあ…と思い至りました。

 また、紙おむつだと、買い物は増えるし、ゴミは増えるし、ゴミ出しの日まで使用済みの紙おむつと生活しなければなりません。私は、ゴミを可能な限り減らして、ゴミ出しの日に一番小さいゴミ袋で済むよう、あれこれ工夫するのが好きなので、紙おむつの分、大量のゴミが出ると思っただけで気が萎えました。

 布おむつだと、洗濯すれば何度でも使えて経済的だし、ゴミも出なくてすっきりした生活です。洗濯は大変かもしれないけど、昔は当たり前のようにやっていたことですし、今は全自動洗濯機という心強い味方がいます。きっと、ずぼらな私でも大丈夫だろう、と布おむつに対して前向きに考えるようになりました。

 布おむつを使用するに当たって、唯一気掛りだったのが、娘に経口生ポリオワクチンを接種した場合の便の処理です。生ワクチンだと、極めてまれであるものの、ワクチン関連麻痺を発症する恐れがあります。娘のみならず、娘の便から、親に2次感染する可能性があります。特に夫は、ポリオの抗体保有率が低いと警告されている、昭和50~52年生まれの年齢層に当たり、余計に心配になりました。

著者プロフィール

引地 悠●ひきち はるか氏。2004年宮崎大卒後、洛和会音羽病院(京都市)にて初期研修2年、後期研修1年。07年4月中通総合病院(秋田市)総合内科で後期研修。07年9月に結婚し、09年1月に第1子を出産。

連載の紹介

引地悠の「ただ今、育児休業中!」
「結婚して子供を産んでも、臨床や研究の第一線から退きたくない」。そんな女性医師の1人である引地氏が、1年間の育児休業を取得。妊娠・出産、育児を通じて、医師である自分に起こった変化を現在進行形でつづります。

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