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“育児大学”への短期留学

2009/12/15
引地悠

パパのお楽しみ、沐浴タイムです。

 先日、連載「勤務医労働相談所」で改正育児・介護休業法の概要が紹介されました(2009.12.10「ダンナと一緒に育児休業を取ろう!」 。現行の制度で育児休業を取得している立場で、この改正について思うところを書かせていただきます。

 核家族が主流の現代において、充実した子育てをするには、父親の育児参加と、職場のサポートが不可欠だと思います。今回の改正育児・介護休業法は、「夫の子育て参加を推奨する」という目的もあり、男性が育児休業を取りやすい条件が盛り込まれており、ありがたいことだと思います。

 しかし、この「父親の育児参加」をどうとらえるか、各家庭で異論のあるところではないでしょうか。私は、母親の育児負担を均等に分けるのではなく、父親には父親にしかできない役割を担うことで、育児に関わる方向になればいいなと思います。「母親は2人も要らない」からです。

 父親に望まれる役割の中で、最たるものが、生後まもない赤ちゃんと母親が安心して生活できるような、環境作りだと思います。赤ちゃん単独を世話の対象としてとらえるのではなく、母子を一体とみなし、母子を温かく包み込むような視点から育児参加していただきたいなと思うのです。

 例えば、炊事や掃除を父親に手伝ってもらうことができれば、母親の家事の負担が減り、母親はその分余裕を持って赤ちゃんの世話をすることができるでしょう。日常的に父親の帰りが遅い家庭であっても、いつもより30分でも早く帰宅してくれるだけでも、母親の精神的安定が得られるかもしれません。

 また、子供が生まれると、どうしても子供の世話をするだけで手一杯となり、「夫のためにできること」が少なくなることを、ストレスに感じる母親もいると思いますが、そういうときこそ、「俺に気を使うな、赤ちゃん第一だ」などの温かい声かけも、必要ではないかと思います。

 わが家の場合は、夫の育児休業をことさらに望むことはありませんでした。動物園の猿山でよく目にする、母親の胸にひしとつかまる猿の赤ちゃんと同じように、人間の赤ちゃんも、生後間もないうちは、本能的に母親を求めているはずだと思ったので、私が1年間の育児休業を取得させてもらうのが最善だと思ったからです。

著者プロフィール

引地 悠●ひきち はるか氏。2004年宮崎大卒後、洛和会音羽病院(京都市)にて初期研修2年、後期研修1年。07年4月中通総合病院(秋田市)総合内科で後期研修。07年9月に結婚し、09年1月に第1子を出産。

連載の紹介

引地悠の「ただ今、育児休業中!」
「結婚して子供を産んでも、臨床や研究の第一線から退きたくない」。そんな女性医師の1人である引地氏が、1年間の育児休業を取得。妊娠・出産、育児を通じて、医師である自分に起こった変化を現在進行形でつづります。

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