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有事の際にリーダーが打ち出す創発的戦略とは

2020/04/14
裴 英洙(ハイズ)

 記念すべき第70回の連載だ。

 最初に断っておくが、本稿では今話題の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)には触れない。理由は2つ。私が感染症の専門家ではないこと、そしてCOVID-19関連の良記事が他にたくさんあること。

 というわけで、今回は私の専門である病院経営・マネジメントの視点から、組織における危機管理の「一般論」について書いてみたい。

 前例がない未曽有の危機が起きた場合、組織のトップはどのような思考になるのだろうか? 通常は、被害を最小限に食い止めるための想定シナリオを作る方向に意識が向くだろう。しかし、情報が不確実で、事実確認もままならないことが多く、近未来を予測できないため、想定シナリオは無限に近いパターンに膨らんでしまう。つまり、「計画することそのものが難しい状況」になる。こんなとき、経営学の大家ヘンリー・ミンツバーグ(Henry Mintzberg)の「創発的戦略」を思い出してほしい。

著者プロフィール

裴 英洙(ハイズ(株)代表取締役社長)●はい えいしゅ氏。1972年生まれ。金沢大学大学院医学研究科修了。外科医・病理医として勤務後、MBAを取得し2009年に起業。医業経営コンサルタントの仕事の傍ら、再建先で臨床医として医療現場に携わる。

連載の紹介

裴 英洙の「今のままでいいんですか?」
医療機関の経営問題を解決しないと、医師が意欲を持って働けない—。そんな危機感からMBAを取得し、コンサルティング会社を設立した異色キャリアの医師。これまでの経営支援の経験から、病医院で見過ごされがちな問題やエピソードを語ります。
裴英洙氏による書き下ろし!
『医療職が部下を持ったら読む本』
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 現場でバリバリと臨床業務に携わってきた皆さんが、「来月から診療科長よろしく」と急に言われたら、どうしますか?
 本書は、診療科長、看護師長といった病院の中間管理職や、診療所の院長など「部下を持ったばかりの医療職」に求められる経営・マネジメントの基本スキルをまとめました。「カリスマ医師に経営陣が強く言えない病院」や「医療部門と事務部門に壁がある組織」など、医療現場ならではの20の事例を題材にしており、実践的な知識が身に付きます。
(裴英洙著、日経ヘルスケア編、日経BP社、2400円税別)

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