
猫も杓子もチームが好きだ。
チームビルディング全盛期である。チーム医療、チーム会議、チームリーダー養成、チームマネジメント、ICT(Infection Control Team:感染対策チーム)、NST(Nutrition Support Team:栄養サポートチーム)などなど、いまどきの言葉を挙げればきりがない。タスクフォースや委員会、○○ユニットなどもチームの代替語だろう。
チームを作ると何でもできるような幻想を抱く人も世の中には多い。しかし、ちょっと待ってほしい。ただでさえ忙しい病院業務。忙しい合間を縫ってチーム活動をすることによって、日々の業務は効率的・効果的になっているのだろうか? 特に優秀な職員は院内の多くのチームを兼務していることが多い。チーム活動によって自身の業務時間が圧迫され、残業が増え、次第に疲弊していく人が身近にいないだろうか。
仕事の効率化や解決を目指すはずのチームビルディングが職員の負担を増やし、業務効率の低下や職員の疲弊を招いているパターンはよくある。これから招集するチームが「本当に今必要なのかどうか」を立ち止まって考えてから、チームを作っても遅くはない。