日経メディカルのロゴ画像

龍馬的インターンシップ奮闘記

2014/02/26

 私が経営するメディファーム株式会社ではインターンシップの機会を設けており、時折インターン生が来て、実務の勉強をしている(2012.4.17「なぜ若手医師はウチで研修したがるのか?」)。医療に対する問題意識やある種の閉塞感を持っている医療者、医学生は少なからずおり、自分が若手医師であったときと比べると、彼らの意識の高さと行動力は雲泥の差だ。インターン生を受け入れているのも、彼らがその閉塞感を破るための一助としてもらいたいからに他ならない。

 今回はそのうちの一人、高知医療再生機構の鈴木裕介医師に「インターン体験記」を書いてもらった。鈴木医師は医師になって6年目。地域医療の崩壊に危機意識を感じ、臨床現場で起こる問題の解決方法を学ぶため、一念発起して休職届を出し、今年1月に当社のインターンの門を叩いた。以下、できるだけ彼の原文のままご紹介する。

インターン生、鈴木裕介医師の「3つの学び」
 本コラムの読者世代を想定し、かの名作ドラゴン○ール風にこの1カ月を表現するならば、「界王星の重力」で「精神と時間の部屋」にいるような感覚であった。それほどまでに自分にとって濃密な体験であった。特に印象深かった3つの学びについてお話ししたい。

 1つ目の大きな学びは、「コンサルタント」という職業に対するイメージの変化である。コンサルタントとは、経営知識を用いて論理的に人を動かすクールな人材というイメージがあった。しかし、メディファームのコンサルテーションのスタイルは想像と全く異なっていた。医師である裴社長が現場の臨床に立って問題を抽出する「ハンズオン型」と呼ばれる手法はとてもユニークだ。コンサルタントとしての問題解決能力を発揮する前に、医師として現場に入り込んでチームの一員として多くの時間を共有し、まずチームに貢献することに非常に重きを置いていた。

 「何を言うかではなく、誰が言うかが大事」。インターン中に何度も教えられた言葉である。どんなに合理的で有益な改善策であっても、医療人として信頼に足る人であることの証明がなければ、現場で想いを持って働いている人の心には刺さらない。「ただのアイデアマン」にならないために、まず態度で示していく泥臭いやり方は、臨床医の姿勢と全く変わらないものだった。現場に熱が伝わっていくダイナミズムを肌で感じることができ、「医師のハートを持ったコンサルタント」がどういうものかを、ほんの少しだが知ることができたのは、とても価値のある体験であった。

著者プロフィール

裴 英洙(ハイズ(株)代表取締役社長)●はい えいしゅ氏。1972年生まれ。金沢大学大学院医学研究科修了。外科医・病理医として勤務後、MBAを取得し2009年に起業。医業経営コンサルタントの仕事の傍ら、再建先で臨床医として医療現場に携わる。

連載の紹介

裴 英洙の「今のままでいいんですか?」
医療機関の経営問題を解決しないと、医師が意欲を持って働けない—。そんな危機感からMBAを取得し、コンサルティング会社を設立した異色キャリアの医師。これまでの経営支援の経験から、病医院で見過ごされがちな問題やエピソードを語ります。
裴英洙氏による書き下ろし!
『医療職が部下を持ったら読む本』
好評発売中

 現場でバリバリと臨床業務に携わってきた皆さんが、「来月から診療科長よろしく」と急に言われたら、どうしますか?
 本書は、診療科長、看護師長といった病院の中間管理職や、診療所の院長など「部下を持ったばかりの医療職」に求められる経営・マネジメントの基本スキルをまとめました。「カリスマ医師に経営陣が強く言えない病院」や「医療部門と事務部門に壁がある組織」など、医療現場ならではの20の事例を題材にしており、実践的な知識が身に付きます。
(裴英洙著、日経ヘルスケア編、日経BP社、2400円税別)

この記事を読んでいる人におすすめ